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ダンジョン飯で、IF 長編版
第二十九話  ファリンとシュロー
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ァリンは、シュローとカブルーとで組んだ。
 ファリンは、少し黙り、そして語り出した。
「炎竜を倒して、ライオス兄さんを体内から見つけたわ。」
「それで?」
「けど……、帰りに狂乱の魔術師が現れてはぐれた。」
「!?」
「これ以上は、私達の手に負えないから、補給と救援を求めるために一度地上に戻ることにしたの。」
「あの…、質問いいですか?」
 カブルーが挙手した。
「狂乱の魔術師って、この迷宮を作ったという存在ですよね? 噂や存在は囁かれるものの、実際に見て戻ってきた人間はいない。なぜ、狂乱の魔術師だと?」
「それは……、言動がそれっぽかったのと、古代魔術を使ってたから。」
「古代魔術というと、黒魔術を?」
「ええ。本を開くだけで魔物を作り出して襲ってきた。あんな技…、見たことない。」
「なるほど。で、どうやってその場を免れたんです?」
「それは、仲間が頑張ってくれたから。私は気絶してたから具体的には知らないけど。」
「気絶してたとは?」
「兄さんに…、みぞおちをやられて。」
「? なぜ?」
「兄さんの様子がおかしかった。」
 ファリンは、うつむいた。
「どうおかしかったんです?」
「頭を抱えて、ブツブツと、分からないこと呟いてた…。魔術師が何かしたのか…、それとも…。」
「それとも?」
「蘇生の時に、何かあったのかも…。」
 ファリンがそう言うと、シュローがファリンの肩を掴んだ。
「触らないで。」
 ファリンがその手を振り払おうとした。
「何をした…?」
「あなたには、関係ないわ。」
「関係ある!」
 シュローは、ファリンの両肩を掴んだ。
「俺が何のために彼を探していたのか分かっているだろう!?」
「……やっぱり、そうなのね?」
 ファリンの目が鋭くなる。
 ファリンは、杖を握り、シュローの首に先を突きつけた。
「やっぱり、あなたを殺すべきだったかしら?」
「ファリン…!」





***





 食事を作ったマイヅルがやってきた時、部屋の中では大変なことになっていた。
「坊ちゃん!?」
「なぜ、そんなこと!?」
「……ああ、するしかなかった。兄さんは、もう、自力で回復する力はなかった。確実性を求めるなら、それしかなかったのよ。」
「だからと言って!」
「ええい! 何があったのだ!?」
「すみません。僕達は何も。」
「黒魔術だ。」
 黒子姿の女性・アセビが言った。
「こいつ、黒魔術を使って、魔物の血肉で、男を蘇生した。」
「!?」
「責任は…、私にあるわ。」
「黒魔術に関わった者……、理由や程度の差は関係ない! すべて大罪人だ!! 死ぬまで
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