第二十八話 コカトリスの石焼きあんかけ
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
中をくりぬいたまだ柔らかいレンガに麦飯を敷き、上に具材を乗せる。
そのレンガを網の上で熱する。
そして。
「えっ!? なにそれ!?」
「コカトリスの卵。持ってきたのはいいが、使い勝手が悪くてな。」
コカトリスの卵は、バジリスクの卵と似ている物の、大きさが段違いだった。
センシは、卵の先端に穴を空けて、フライパンに卵の中身を出した。
コカトリスの卵で作った、卵のあんをレンガに詰めた麦飯と具材の上にかけたら……。
「完成じゃ!」
クリーナーが復元したレンガに詰めた、コカトリスの石焼きあんかけの完成。
「わー、美味しそう。」
そして実食。
「おごけが美味しい。」
「スプーンを皿に突き立ててみろ。」
「えっ?」
言われるままに皿になっているレンガの底にスプーンを刺してみる。
すると、レンガがムニッと掬えた。
「ダンジョンクリーナーでできた石を使ってみた。
「すごーい! ありがとう、センシ!」
ファリンは、クリーナーを食べた。
そして、なんだかすごい顔になった。
「……。」
「…どんな味?」
「えっと…、うぐ…、第一印象はドロなんだけど…、よく味わってみると、青虫と鉄とレモンをマジカルに混ぜたような……。」
「他の物に喩えまくってるな。」
「表現のしようがないよぉ…。」
「魔法生物なんか食って大丈夫かよ?」
「うむむ…。」
「無理して食べちゃダメよ。」
食後。
「ここの幽霊が助けてくれたの。」
「さっきの魔術師の目が来るって言ってたやつか?」
「うん。」
「そういや、オークがここいらの幽霊は正気を保ってるって言ってたな。」
「そういえば、そうだね…。…ん?」
その時、ツンツンと、肩をつつかれた。
振り向いたとき、そこにいたのは、巨大な牛の顔をした大きな蜘蛛がいた。
「きゃああああああああ!」
「ファリン! うっ!」
あっという間に蜘蛛の糸にグルグル巻きにされるファリン。マルシルも背後から来た誰かに捕まった。
センシも首を羽交い締めにされ、チルチャックも刃を後ろから突きつけられた。
「この声…、ファリンか?」
「えっ……?」
声がした後、一人の侍がやってきた。
「…知り合いだ。」
「シュロー?」
「シュロー!?」
「シュローってなに?」
「トシロー坊ちゃんのことだろう。」
「トッシュロー…。」
ファリン達は解放された。
「誰だ?」
「前のパーティーのメンバーだった人…。」
「どうも。」
シュローは、最後に見たときよりもやつれており、ひげを生やしていた。
「…どうしてあなたがここに?」
「君こそ。」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ