第二十八話 コカトリスの石焼きあんかけ
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。」
「そう。まだ完全に固まりきってないはずだって思ってね。」
そして、ファリンは、壁や床を触りだした。
「ここまでは、元の壁。ここから、クリーナー! 床も!」
「……げっ。床一面に小さい何かが蠢いてる!」
感覚が鋭いチルチャックがその生物に気づいた。
「全部クリーナーだね。彼らがいない迷宮はすぐに崩壊してしまう。魔物じゃないし、害はないよ。」
「害はある。わしのテントをよく囓るんだ。こいつらは。」
「ふふ。彼が邪魔だと判断した物はすべて分化されてしまうから、竜の死骸や爆発の残骸を食べたんだ。」
爆発などで迷宮内が傷つくと現れ、分泌液で延焼や倒壊を防ぐ。
そして周囲に散らかったゴミを食べ始める。
好き嫌いはない。有機物から無機物まであらゆるものを食べる。
最後は欠けた部分を埋めるように分泌液を出し、元の迷宮の姿を復元する。
そのため、迷宮は常にその姿を保っているのだ。
生物の治癒と同じ過程だとマルシルは言った。魔物はバイ菌を排除する免疫組織ってとこだろうと。
「それも魔術の仕業なのか?」
「すごいでしょ。」
「やれやれ…、次は魔術の消化器官か…。」
「その場合は迷宮は何を食べるんだろうね?」
そんなことを話しているファリン達を見ながら、チルチャックは安堵の息を吐いた。
血の跡が消えていてホッとしたのだ。
「また変動が起こる前に進もうぜ。」
「うん。」
そして、チルチャックの導きに従い、先を進んだ。
***
そして、ついに上への階段を見つけた。
「階段だぁ〜!」
「はー、ようやくここから出られる…。」
「では、ここらで一発アレをしておくか。」
「うん! そうだね、アレをしよう。」
「アレ? そっか……、アレね…。」
そして、アレが実行されようとした。
センシがフライパンと、包丁を出し。
ファリンがドライアドの実などの食材を出し。
マルシルが、カエルスーツを身にまとった。
「えっ!? アレって食事のこと!?」
「長い階段を上がる前に体力をつけないと。」
「この階段にはたぶんテンタクルスはいないよ。」
「はよ言え!!」
「実は結構気に入ってんだろ?」
「違うわい!」
「ウーム。食材充実しすぎて、何を作ったもんか…。…アレを使ってみるか。」
そして調理開始。
まず、小鍋に麦を入れて炊く。
「それ、三階で拾ったやつ?」
「いよいよ飯が尽きた時のためにとっておいた。」
次に、挽いたコカトリスの肉と、ドライアドの実、マンドレイクの実と葉、石化消し草(?)の葉を適当に切り、味を付けて炒める。
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