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ダンジョン飯で、IF 長編版
第二十五話  地上に戻る決意
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「な、なあ……。俺たち、エルフの魔術師に攻撃されたんだ。あいつのこと何か知らないか?」
「奴に出くわしたのか!?」
「わっ! えっと……、褐色肌に銀髪の…。」
「それだ。」
 オーク族族長の妹君は言った。
「詳しいことは分からない。」
 そして語られたのは信じられないことだった。
 自分達が住まうよりも前からずっと迷宮を支配しており、迷宮の外の者が必要以上に干渉すると、現れる存在らしい。
 そして魔物を作り、自在に操る、地形を変え、本をめくるだけで生き物を殺すのだと。
「迷宮の支配……、つまり…。俺たち、狂乱の魔術師に目を付けられたってことか? 冗談じゃない!!」
 チルチャックが声を上げた。
 レッドドラゴンを倒したからかとか、マルシルの黒魔術で呼び寄せてしまったのかと、ブツブツと呟く。
「奴は、いくつかの魔物を使役していて。それを殺すと怒らせる羽目になる。」
 オーク族族長の妹君は、そう言った。
 つまり…、あのレッドドラゴンが狂乱の魔術師が使役していた魔物だったということだ。
「二人が目を覚ましたら…、絶対にライオスを探したがるな。なんとしてでも諦めさせないと。」
「というと?」
「なんでもいい。杖を燃やすとか。竜の肉を食ったので、満足したと言うとか、ライオスが地上に向かうのを見たとか。」
「二人を欺けと?」
「ああ、そうだよ!」
 チルチャックは必死になって言う。
 これ以上進めば、自分達は確実に殺される。
 壁の一部になりたいのか? 自分は絶対にごめんだと。
「あいつらに付き合って死ぬのはまっぴらだ。」
「……。」
「なあ、置いてきて、荷物を回収したいんだ。案内を頼めないか?」
「断る。腐った根性の匂いが移りそうだ。」
「んな……!?」
「わしからも頼む。連れて行ってやってくれ。臆病だが、悪い奴ではないのだ。」
「センシ? おまえは来ないのかよ?」
「二人の傍に残る者も必要だろう。」
「そ……。」
「……お前から頼まれては仕方ない。気にくわないが案内してやる。」





***





 オーク族族長の妹君と、番犬達の後ろをチルチャックがついて行く。
「……仲間とはぐれたのか?」
「……そうだよ。最後に見た時には、魔術師の足元に倒れていたんだ。楽観的にはなれないだろ。」
「仲間を騙す言い訳にはならんがな。」
「部外者はどうとでも言えるよな…。」
 するとオーク族族長の妹君に睨まれた。
「っ、いや、なんでもないって。」
「後ろだ。」
「へっ?」
 その時、幽霊がチルチャックの後ろから前の方へと通り過ぎた。
「ーーーー!?」
「騒ぐな。あれは、この都の住人
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