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ダンジョン飯で、IF 長編版
第二十四話  狂乱の魔術師
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。」
「一体どこから? 見張りは何をしていた?」
 押さえつけられたチルチャックがなんとか顔を上げて見ると、壁に空いてたはずの穴がなくなっていた。
「地底人に。小人に。足長に。耳長! 面白い。耳長を殺すのは初めてだ。私がやる。小人は、犬にくれてやれ。」
「待て。」
 処刑されそうになったところをセンシが待ったをかけた。
「そなたゾン族長の妹君ではないか? 我々は、族長との約束を果たすために来た。寛大な処置を求む。」
「貴様…。なぜその名を……。」
「ん?」
 周りにいたオーク達が一斉に、センシの匂いを嗅いだ。
「お前、野菜売り!?」
「匂いが違うから気づかなかったぞ。」
 どうやら、センシの知人であったらしい。
「お前がこんなところまで来るなんて。族長との約束とは?」
 そして、事情を話した。
「なるほど……、そういう経緯があったとは…。突然竜の姿が消えたので妙だとは思っていたが。族長にかわって礼を言う。誰か調合の準備を。」
 意識のないファリンを介抱し、やがて、オークの一人が薬草や…なんか分からない物を持ってきた。
 それらをすりつぶしていき……。
「完成だ。」

 オークの調合薬(?)のできあがり。

 それをオーク族族長の妹君が、一気に口に含み……、ファリンの口に流し込んだ。
 ファリンは、ビクンビクンと跳ね、やがて動かなくなった。
 それを見ていたマルシルは、ざーっと青ざめた。
「わ、わらひは…、たらのまりょく……ぎれ…。」
 そしてマルシルも飲まされた。
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