第二十四話 狂乱の魔術師
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そしてマルシルが明かりの魔法を唱えた。
明かりに照らされた場所は、四角い、どこにも穴がない部屋だった。
「なんだ? ここ……。どこから落ちてきたんだ、俺たち…。」
チルチャックが壁を叩いたり、触ったりした。
「どうなってんだ? 出口が……。」
その時、壁が動き出した。
「壁が!?」
「押しつぶされる!?」
「出口! 出口を探せ!」
壁が迫ってくる中、必死に出口を探した。だが見つからない。
「魔法でなんとかできないのか!?」
「それは例えばどんな魔法!?」
壁はどんどん狭まり、やがてマルシルの杖を折るほどに部屋が狭まった。
死ぬ…、そんな予感が過ぎった。
死ぬのは初めてじゃないが、ここは壁の中。見つけてもらえない。
ようやくライオスを見つけて地上に帰ろうという時に!
その時だった。
スウッと壁から無数の手が出てきた。
「えっ?」
そしてマルシルを掴み、穴の中に引っ張り込んだ。
「マルシルーー!?」
「く、空洞だ! あそこから出れる!」
「どこへつながるか分からんぞ!?」
「ぺちゃんこになるよりかマシだ! いいから急げーーー!」
センシがファリンを穴に突っ込み、センシの背中をチルチャックが足で押し込んで、自分も穴に入った。
そして、背後で、ズンッと壁がすべて埋まる音がした。
***
どこかの民家であろうか?
そんな場所に四人は折り重なるように倒れていた。
「どこだ? …ここ……。」
チルチャックが周りを見回した。
「と、とりあえず、ここから離れないと…。」
「無理……。もう指一本動かせらい…。」
「いいや、頑張るんだ。またアイツに見つかったら……。うっ。」
その時、気づいた。
周りが、幽霊だらけなことに。
終わったーーーー!
っという断末魔が口ではなく頭を過ぎった。
すると幽霊の一体が、話しかけてきた。だがまったく分からない言語であった。
しかし、幽霊達は、急に消えた。
「き、消えた?」
「ああ、くそ、頭がどうにかなりそうだ。センシ、ファリンを起こしてくれ。俺はこの辺の様子を調べてく…。」
そう言って戸を開けた瞬間…。
そこにいたのは、屈強な毛深い体、そして頭にある小さな角…僅かに尖った耳の…。
「きゃーーーー!!」
「うおおおおおお!!??」
オークだった。
お互いに悲鳴を上げたが、すぐに我に返ったオーク達がなだれ込んできた。
「やかましい! 何事だ!?」
そこへ鹿の角で、胸を隠し、様々な動物の毛を編み込んだ下履きを履いた女オークがやってきた。
「モグラだ。隊長
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