第二十四話 狂乱の魔術師
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者だ。何が目的だ。」
「…か、絵画……、あなたは…、まさか…。」
迷宮の主・狂乱の魔術師。
その名が、脳裏を過ぎった。
次の瞬間、エルフの頭上のドラゴンの肋骨が爆破された。
崩れ落ちる肋骨の一部を、エルフが避け、ファリンから離れた。
「そ、そこのあなた! 離れなさい! 次は、当てるからね!」
「……簒奪者どもが…。」
忌々しげに狂乱の魔術師は、歯ぎしりをした。
「兄さん! 立って! 逃げよう!」
「ううぅ……、うるさい!!」
「きゃあっ!」
「ファリン!」
頭を抱えて呻いていたライオスに、すごい力でファリンは突き飛ばされて吹っ飛んだ。
チルチャックが駆け寄る。ファリンは気絶していた。
すると、狂乱の魔術師は、どこから出したのか、大きな本を出現させた。
「ん!? 本!?」
「すごい、やな予感。」
「しっかりしろ、ファリン。」
そして狂乱の魔術師が呪文を唱えだした。
「んんん!?」
その詠唱を聴いて、マルシルは、背筋がゾッとした。
古代魔術であったのだ。
すると、ライオスが座り込んでいる血だまりから、小さな竜のようなものが無数に出現した。
「食い尽くせ!」
「ええーーー!?」
そのうちに一匹がマルシルの顔の横を切った。
爆発魔法…、防御魔法…、どれでも防げない。
ならっと、マルシルが血を拭い、杖を握りしめた。杖が反応し、ミシミシと枝が立った。
「術を直接書き換える!」
そして、次に襲いかかってきた小さな竜に、杖を振るった。
すると、魔法文字が小さな竜に走り、血に戻った。
それを見た狂乱の魔術師は、ピクッとわずかに反応した。
「解除! 解除! 解除!」
次々に襲いかかってくる小さな竜を魔法を解除することで消していったが……。
「うっ、ひひひ…。」
あまりの数と、そして古代魔術は分かるものの、ついていくことができなかった。
やがてマルシルの鼻から鼻血が垂れ始めた。
その直後、マルシル達の足元の床がバックリと口を開け、マルシル達は、その下へと落とされたのだった。
「おい、竜。」
「うぅう……。」
「それでは、不便だろう。今一度新しい姿をやる。」
そう言って、本を閉じた狂乱の魔術師がライオスに近づいて手をかざした。
すると、血だまりがボコボコと蠢き、ライオスの下半身を包み込んで泡だった。
「成すべきことを成せ。」
「……はい…。」
ライオスは、放心したままそう返事をした。
***
暗闇の中。マルシル達は目を覚ました。
「どうなってんだ?」
「待って…。今、明かり付ける…。」
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