第二十話 大ガエルのカツレツ
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ことはできるわ。」
それに加えて、城下町は狭く、経路を工夫すれば竜を疲れさせることが出来ることと、元々長期にわたって動いていた疲れもたまっているはずだとファリンは言った。
「……なるほど、それなら、俺にも手伝えそうだな。」
「本当!?」
「べ、別に…。」
「それにしても…、どうして竜は寝ていないんだろう? 五階に現れたのも謎だし…、嫌うはずの狭いところをウロウロしているし…。」
「発情期とか?」
「うーん…。」
「悩んでても仕方ないわ。作戦を立てましょう。」
「分かったわ。行こう。」
三人は頷き合った。
***
そして、作戦を練った。
どこに通路があって、レッドドラゴンの首を狙えるか、そしてどう疲れさせられるかを念入りに計算し、地図に記していく。
やがて、地図が完成し、オークの住処に戻った。
すると、パンの良い匂いがした。
「戻ったか。」
「センシ。おまえいつの間にいなくなりやがって…。」
「パンを作っていた。」
「匂いで分かったよ。今から竜を倒そうって時に…。」
「もちろんだ。これから大仕事になるのだろう? 腹ごしらえは何よりも重要だ。」
「私達は、一度空腹で炎竜に負けてる。だから、同じ轍は踏まないようにしないと。」
「…そうね。」
「あ! ワインだ!」
「こら。それは、竜を倒してからよ。」
ワインを飲もうとしたチルチャックを、マルシルが止めた。
「卵はないが、これだけあれば、アレができるか。」
そして調理が始まった。
まずパンをおろし金で細かくしパン粉を作る。
次に、大ガエルの肉に塩コショウ。
水で小麦粉を溶き、肉を浸す。
次に先ほどのパン粉に小麦粉の液に浸けた肉をまぶす。
フライパンに多めのオリーブオイルを熱し、パン粉をまぶした肉を…揚げる。
揚げ終わったら、油を切り、その間にソースを作る。
赤ワインと調味料を煮詰めて、味見をして…。
「完成じゃ!」
大ガエルのカツ。改め、レッツ炎竜にカツレツである。
「美味しそう!」
「なんか、匂い嗅いだら腹減ってきた。」
「いただきまーす。」
そして実食。
「サクサクだ。」
すると、マルシルが涙ぐんでいた。
「どうしたの?」
「魔物食も…、これで最後かと思うと、感慨深くて…。」
「まだ炎竜があるぞ。」
一番魔物食に抵抗していたマルシルが、この苦難の日々が終わると思って涙ぐんでいたのでチルチャックがツッコミを入れた。
「なんて言うか……。」
食べ終わったファリンがお皿を置いて、言い始めた。
「私ひとりだったら、ここまで来られなかったわ
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