第十八話 ウンディーネのシチュー
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た。
そんなファリン達の様子を、ナマリがハラハラと見ていた。
***
「いやいや、無理だぞ?」
「筋力を強化する魔法を使ったし、なんとかなるよ、きっと。」
「いくら魔法で一時的に強化したって、お前は後衛なんだぞ?」
センシとファリンが鍋と蓋を持ってウンディーネに挑むのだが、チルチャックが心配して声をかけてきた。
いくら強化したとはいえ、後衛であるファリンに、ウンディーネの強力な攻撃を止める力があるはずがないのだ。
しかし、圧倒的に前衛がいないこのメンバーでは、マルシルとチルチャックの次に筋力があるとしたらファリンしかいないのだ。
だから、それしかないのだ。
センシとファリンが鍋を手にし、ウンディーネが待ち構えている通路へとソロソロと出た。
「表面が歪んだら構えて。なるべく取りこぼさないように…。」
そして、次に一歩進んだとき、ウンディーネが動いた。
「来る!」
次の瞬間、ウンディーネの水の弾丸が飛んできた。
それを鍋を盾にして受け止めるが…。
「きゃあ!」
センシは、ともかく、ファリンが壁に背中からたたきつけられた。
ビリビリと手が痺れる。
そうこうしているうちにウンディーネが元の姿に戻りだし。
「くっ…。」
「どけーっ! ファリン!」
「えっ!?」
そこへナマリが走ってきた。
ナマリは、ファリンに体当たりし、鍋の蓋を奪い取った。そしてウンディーネの攻撃でファリンと鍋の蓋を持ったナマリが分断された。
ウンディーネが壁に入り、チョロチョロと出てくる。
ナマリとセンシがウンディーネが元に戻るのを待った。
そして、ウンディーネが球体に戻った直後。
「今だ!」
全速力で同時に走り出した二人が、鍋と鍋の蓋でウンディーネを閉じ込めた。
鍋の中でウンディーネが激しく暴れる。
筋肉隆々であるドワーフの二人の筋肉が浮き出し、血管が浮く。
「いいぞ! そのまま、踏ん張れ!」
「火に!」
慎重にだが、急いで、火に向かう。
そして、鍋を火の上に置いて、鍋を二人がかりで押さえつけた。
ウンディーネは、ずっと暴れ続けている。
だが、火にかけ続けると、やがて暴れなくなっていき、そして…。
「あっつ!」
「あっちーーーー!」
鍋が完全に熱されたときには、ウンディーネは、完全に沈黙した。
「すごいすごい!」
「信じられん。なんちう馬鹿力じゃ。」
「センシ、ナマリ! 本当にありがとう!! あ、ファリンも大丈夫?」
「う、うん…。」
「図体の割に貧弱なんだよ、トールマンは。」
「はっ、そうだ! センシ!」
「うむ。調理を始めよ
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