第十八話 ウンディーネのシチュー
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なことしたら、ナマリのためにならないわ。」
「そうだぜ。」
ファリンの言葉にチルチャックも同意した。
こういった冒険者同士での噂は立ちやすい、ナマリがタンスに誘われた経緯だって、もとをただせば金銭面でのトラブルを聞きつけからだ。
ここでさらに金を積まれてまたパーティーを抜けたとしたら、今度は金を積めばなんでもする奴としてナマリの噂が立ち、今後の生活に影響が出てしまう。
お互いの今後を考えるなら、それは避けるべきだと、ファリンとチルチャックはマルシルを諭した。
マルシルは、俯き…、だがやがて…。
「いや…、まだあるわ…。」
「マルシル?」
「私が魔力を取り戻す方法…。」
「? まさか…。」
「ウンディーネを、飲む!!」
「ええー。」
ファリンは、信じられないと声を漏らした。
センシもうげーっと声を漏らしていた。
「なんだその反応!! いつもの勢いはどうした!」
「だって、マルシル…。精霊の魔力は…。」
「それでもよ! でも試してみたいの。」
「どういうことだ?」
「精霊の魔力は吸収しにくいの。だからもし飲むんだとしたら…、たくさん飲まないと…。」
「ふむ…。」
ファリンの説明を聞いたセンシは、少し考えた。
「ならば、料理に使ってみてはどうだ?」
「えっ?」
「吸収を助ける食品と共に摂るのは、栄養の基本だ。」
「センシ…、いいの?」
「だが問題は、どうやってアレを仕留める?」
「それは…。」
「ねえ、お鍋に入れて、熱しちゃえばいいじゃないかな?」
「えっ?」
「ウンディーネは、熱に弱いでしょ?」
「それよ! ファリン、ナイス!」
「けど、どうやって?」
チルチャックは、センシが持っている大鍋を見た。
これにウンディーネを入れるとして……。そのあと、火まで持って行くのはどうするのか。
「それにこんなボロ鍋じゃ、石柱を貫くウンディーネを閉じ込められるか?」
「…待て。」
ナマリが駆け寄ってきてセンシの大鍋を調べだした。
「これは…、アダマントじゃないか! 信じられない…、武器となれば竜の骨を砕き、防具となれば竜の牙をも通さぬという…。前鍛冶屋が夢に見る金属のひとつ、アダマントが…、なんで鍋なんだよ!?」
「もとは盾だったが、使い道が無かったので…。」
「何やってんだよ勿体ねーーー!」
センシが持っている鍋はとんでもない逸品だった。
「じゃあ、ウンディーネの攻撃にも耐えられる?」
「当たり前だ!」
「ちょうど鍋と蓋に分かれているし…、二人で手分けしてウンディーネを、挟むこんで…火にくべれば…。」
「焼き殺せる!」
こうして、ウンディーネを飲む作戦が練られ
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