第十七話 テンタクルスの酢和え
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ッとすごい勢いで根っこ(?)がキキを絡み取り、上へと持ち上げた。
「テンタクルス(触手生物)!」
少しの間バタバタ暴れていたキキだが、やがてシーンっと動かなくなった。
「わあー! キキ、キキ! 大丈夫か! おい、何をしている、早く魔物を殺せ!」
「いや、武器届かないから…。」
「早くなんとかしろ!」
「わざと捕まって懐に飛び込むってのは?」
「…テンタクルスは。刺胞生物よ。触手が皮膚に触れると毒針が射出されて身体は麻痺する。捕われればこっちの命が危ないわ。」
「死んでも生き返らせてやる!」
「あのな……!」
「私が行くわ。」
言い合いになりかけていたタンスとナマリを止めるようにファリンが言った。
「おい、待て。回復役のお前が行っても…。」
「センシ。兜を貸して。」
「聞けって。」
「ナマリ。お願いね。」
「はっ?」
「私も、武器についてはとても信頼してたから。」
「ど、どういう意味だ?」
ナマリの問いに答えず、ファリンは、小石を拾うと、天井にいるテンタクルスに向けて投げた。
小石が当たり、テンタクルスが反応して動き出した。
そしてファリンを絡み取り、上へと持ち上げた。
「いっ…!」
服や兜の上からでも刺胞は刺さってくる。
ファリンは、身体が痺れていく中、剣を使いキキを絡み取っているテンタクルスの一部を切り取っていた。
「…お、お願い…、ナマリ!」
そしてテンタクルスの一部が切れて、キキが手にしていたボウガンが落ちた。
センシがそれを受け止め、絡まっているテンタクルスの触手をちぎり取り、ボウガンをナマリに投げ渡した。
「…くそ! そういうことかよ! 一番厄介な仕事をふりやがって!」
悪態をつきながら、ナマリは、ボウガンを天井にいるテンタクルスに向けた。
そして、矢がテンタクルスの胴体に当たった。
死んだテンタクルスは、キキとファリンを解放した。
「キキ!」
「ファリン、大丈夫か!? ……では、ないか…。」
***
そして、地下からファリン達は戻ってきた。
「まあまあ、キキ。一体どうしたの?」
「今すぐ治してやるからな。」
そう言って、寝かせてキキにタンスが治療魔法をかけはじめた。
「ううむ。これは厄介だな。すまんが少し時間をくれ。」
「おかまいなく。」
「げっ。」
チルチャック達の方へ戻ったファリンがそう答え、ファリンの顔を見たチルチャックが声を漏らした。
「テンタクルスに刺された。」
ファリンの顔は、テンタクルスの毒で腫れ上がっていた。先にやられたキキの方がまだ酷い。
「ちょっと、待って。種類を特定するから。」
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