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ダンジョン飯で、IF 長編版
第十七話  テンタクルスの酢和え
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 焼き肉を食べていたファリン達だったが、チルチャックが、ハッとした。
「足音が近づいてくる…。」
 感覚が鋭いチルチャックは、塔の上から歩いてくる足音から相手が武装した五人組だと見破った。
 そして向こうがこちらに気づいたとも気づいた。
 徐々に足音が近づき、やがて…。
「驚いたね…。本当に肉を焼いているぞ。地上に戻れない罪人の類いじゃないだろうな?」
「ただの野営中だ!」
 見えてきた人物の言葉にチルチャックが反論した。
「んん? 待てよ。その声…、チルチャックか?」
「えっ? ナマリ? ナマリなの!?」
「ファリンもいたか。
「知り合いか?」
「前の仲間! よ、久しぶり。…っつても一週間ほどか。」
 そう言ってドワーフの女戦士であるナマリが手を振って近づいてきた。
 するとファリンが杖を握って身構えた。
「おいおい、こっちには戦う意思はねーよ。」
 ナマリが手で落ち着くよう制した。
 そしてナマリが新しい冒険者パーティーを紹介した。
 今の雇い主であるタンス夫妻。ノームの夫妻で、どこかのお抱え学者で金払いがすごくいいらしい。
 そして、双子の男女のカカとキキ。褐色の肌のトールマン(※この世界における普通の人間)。男女なので似てないがどっちがどっちなのか分からないそうだ。
「そう…、誘われてたっていうのは、その人達なんだね…。」
「なに怒ってんだよ?」
「……ナマリがいれば、もっと早く兄さんを助けに行けたのに。」
「タダで死地に付き合えと言われたのを断っただけだろ?」
「よせよ、ファリン。ナマリにはナマリの事情があんだよ。」
「分かってる。分かってるけど…、割り切れないだけ。」
「まったく、相変わらず、兄さん兄さんだな。お前は。」
 ナマリは、ジイッと睨んでくるファリンに呆れた声を漏らしたのだった。
「あ、そうだわ。そちらに、魔力草はありますか?」
「見返りは?」
「あ…。」
 ファリンは、慌てて自分の身と、周りを見回した。
「…け、ケルピーの肉。」
「いらんわ!」
 速攻で断られた。
「行くぞナマリ。迷宮内での施しは足元をすくわれる。」
 そう言ってタンス夫妻の夫の方が背中を向けて去ろうとした。
「待って!」
「まったく、途中にあった死体でも自分の蘇生代くらいは持っていたぞ…。」
「違うの。この先に行くなら、ウンディーネが迂回しているから気をつけて。」
「ウンディーネ?」
 タンス夫妻の夫の方は、寝かされているマルシルの方を見て察した。
「ははあ。水の精霊を怒らせたか。ふん。」
 見くびるなと言った。
 彼らノームは、古代より神々や精霊らと共に生きてきたのだから、精霊は恐れるべき存
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