第十六話 ケルピー肉の焼き肉
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
ファリンの食あたりもおさまり、彼女がぐっすり寝ている間に、マルシル達は、これからの段取りを話し合った。
タイルの床に地図を広げ、チルチャックが地図の一部を指さした。
「現時点がココ。…オークから聞いたレッドドラゴンの出現場所がココだ。二日もありゃ着くか。」
なんだかんだ色々と寄り道したり、立ち止まる事はあったが、確実に目的のレッドドラゴンまで近づいていた。
レッドドラゴンが出現した位置まで近づいたが、向こうは魔物。ジッとしてない。
だがセンシが言うような習性があるのなら、そう動き回ってはいないはずである。
「野営もあと、二回におさめたい。中間地点で一度。レッドドラゴンの手前で一度。ロウソクのが消えたらファリンをたたき起こす。用事は済ませとけ、次の休憩まで少し遠いぞ。」
すると、マルシルが挙手した。
「身体、拭きたい。」
「…どこで?」
「部屋の隅でやるから。」
「……手短にな。」
そしてマルシルが床に魔方陣を書き、火を起こして小鍋にお湯を沸かした。
「じゃあ、外に出てるから。」
そう言って出て行こうとするチルチャックとセンシ。
「え? いいよ。服のままやれるから。そこにいて。危ないし。」
「…あ、そう。」
そして、二人が背中を向けている間にマルシルは、お湯でぬらしたタオルで身体を拭き始めた。
少し前まで、男女比率は、半々だった。
だが今は、一人は抜け、ファリンは、寝ている。
マルシルは、抜けてしまったメンバーである、ナマリのことを思い出し、ムカムカとした。
生活がかかっているのは分かるが、何もあんな時に脱退することはないだろうと。
やがて、ロウソクの火が消えた。
「ファリン、起きろ。」
「うぅ…。」
ペシペシと叩かれ、ファリンは、呻きながらゆっくりと起き上がった。
「マルシルもいいか?」
「うん。あ、湧かしすぎたわ。」
そう言ってマルシルは、鍋の湯を捨てに湖の方へ行った。
そして鍋の中の湯を捨てた。
すると、水面が波打ち。
水の球体が宙に浮かび上がった。
「…う…。ウンディーネ!?」
次の瞬間、プクッと膨れた水の球体が弾けて、水を弾丸のように飛ばしてきた。
水の精霊・ウンディーネだ。
間一髪で水の弾丸を避けたマルシルは、通路を転がった。
「杖…!」
運の悪いことに愛用の杖を持っていなかった。
「何事!?」
騒ぎに気づいたチルチャック達が顔を出した。
水の弾丸は壁に突き刺さり、そこからジョロジョロとウンディーネがあふれ出て、再び球体になった。
そしてまた弾丸をマルシルに向けて飛ばしてきた。
強固なタイルの強度を一瞬にして切断する水
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ