第十五話 クラーケンの寄生虫の蒲焼き
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水中歩行で、移動していると…。
「うわ! また出た!」
ヒレが刃となっている魚型の魔物・刃魚が、トビウオのように飛び出してきて襲いかかってくる。
「任せて! 一掃する!」
マルシルが呪文を唱えた。
「やめろーーー!」
センシが止めようとしたが、マルシルの魔法完成が早く、爆発が水面下で起こって多くの刃魚が水と共に吹き飛び、振ってきた。
「馬鹿者! 殺しすぎだ!」
センシが怒った。
彼曰く、刃魚は、煮てよし焼いてよしの何にしても美味しい魔物だが、他の魔物の糧にもなっているので、減らしすぎはよくないと言うのだ。
やるなら一匹一匹やれと言われ、マルシルは、無理だと声を上げた。
「そういえば、中型の魔物の姿が普段より少ないような気がする…。」
「ほれ、見ろ!」
「私のせいなの? そんなこと言われたって、手加減なんかしてらんないよ。あっちも殺す気できてるのに。刃魚自体はいつもより多いくらいだよ? 心配することないんじゃない?」
「食えなくなったらどうする!」
「魔物の生態系守って死にたくないよ!」
その時だった。
魚類型の人魚が水の中から跳ねてきた。
それにぶつかりセンシが倒れた。
「センシ!」
「だいじょうぶ!?」
魚類型の人魚は、そのまま別の方向へと行ってしまった。
「なんだ、通り過ぎただけか。」
「怪我はない?」
ファリンが駆け寄るが、センシは、水に倒れたままだった。
「センシ?」
「…何かが近づいてくる。」
「えっ?」
そして。それは現れた。
ファリン達を全員吹き飛ばすほどの水しぶきを上げ、巨大なイカ、クラーケンが現れたのだ。
一度水の中から跳ね出たクラーケンは、再び水の中に潜った、その衝撃で再び吹っ飛ばされた。
「イカ!? いや、タコか?」
「クラーケンだわ! まずいわ…、元々大型の魔物だけど、いつもの数倍大きい! ……兄さんが見たら喜んだだろうな。」
そんなことを言うファリンに、センシは少し呆れた目を向けた。
「私達が引き付けるわ! マルシル、お願い!」
「分かったわ!」
「また魔法か。」
「安心してよ。これは当てるから。」
そしてファリンとチルチャックとセンシがクラーケンの囮になった。
「立ち止まらないで!」
三人は水面を走る。
しかし、クラーケンの方が早く、三人の前の方に現れた。
そこを狙ってマルシルが爆発の魔法を食らわせた。
大きな爆発がクラーケンの胴体に当たった。
「やった!」
だが、マルシルの喜びはつかの間だった。
すぐに動き出したクラーケンが足を暴れさせて、ファリン達を吹き飛ばした。
「うそ…!
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