第六話 動く鎧のフルコース
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、動きに規則性がある。
また鎧の中から羽音などもしない。
ならば、死角に潜んでいるのか。
「なら……。」
ファリンは、柱の陰から飛び出し、杖を振りかぶった。
狙いは、盾!
それに気づいたらしい動く鎧は、盾を庇うように動き、自分の胴体をファリンの方へ向けた。
そこに渾身の力で杖を殴打し、わずかにぐらついた鎧の後ろから、頭の兜の飾りの毛の部分を掴み、ファリンは動く鎧の頭を奪った。
「中身!」
そして大急ぎで柱の陰に隠れ、中を確認した。
しかし、中には何も入ってなかった。
「な、何もない…。からっぽ? 首を拾うのは擬態行動?」
そうこうしていると、ガシャガシャと動く鎧が迫ってくる音が聞こえてきた。
「次…、次の手を…。」
だがしかし…。
振り下ろされた動く鎧の剣は、ファリンが隠れている柱とは関係ない柱に当たった。
「えっ?」
自分がどこの柱に隠れたのか見えていなかったようだ。
やはり頭に秘密が…っと、もっとよく調べてみた。
すると、鎧の断面に隙間があるのを見つけた。
まさかと思い、ナイフを出して、その隙間に突き刺してみた。
そしてえぐるように鎧の断面をめくると…。
シューッと音を出しながら軟体の生物が出てきた。
「軟体生物! 内側に張り付いてたんだ! あ…、動かなくなった。」
軟体生物は、すぐに動かなくなり、ピクピクと痙攣していた。
「バラバラにされても平気だったのは…、最初からバラバラの群体だったからなのね。」
ファリンは、は〜っと感心した。
「今なら…。」
そしてファリンは、兜を投げた。
すると動く鎧は、転がる兜を拾い上げ、戻した。だがすぐに落ちた。
その隙を突いて、ファリンは、体当たりをして動く鎧をうつ伏せに倒した。
その上に乗っかり、足を引っ張って外して中の隙間にナイフを刺して無力化する。
続いて腕と、次々に無力化させた。
「うーん、面白い。一体につき何匹いるんだろう? 雌雄同体なのかな? 関節のところで繋がって…、収縮することで筋肉の動きを模しているのね。すごい!」
ファリンは、興奮しながら動く鎧を解体していった。
しかしすぐに我に返って、卵がついた盾を持ち上げて、急いだ。
「みんな!」
扉を開けると、マルシル達が動く鎧達に取り囲まれ乱闘状態になっていた。
「今、助けるから!」
そう言ってファリンは、盾を床にそって投げた。
床を滑るように回転しながら動く盾に、鎧達が気づき、盾の方へ移動し始めた。
「なに? 今の…。どうやったの?」
ファリンに導かれてマルシル達が扉の中に入った。
「うわ!」
そしてバラバラに解体されたちょ
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