第五話 大コウモリの唐揚げと、マンドレイクのかき揚げ
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円筒形の建物の壁に沿った階段を降り、中間点辺りの空間で、ファリン達は行進を止めた。
「この辺りだったっけ、近道の入り口があるのは。」
「入り口?」
「マルシル。杖貸してくれ。」
「やだ。ぶつけるんでしょ。」
「じゃあ、ファリンの杖でいいや。」
「はい。」
ファリンから杖を受け取ったチルチャックは、杖を振りかぶり、壁を杖で殴った。
ゴオンッと音を立て、そして反響する。
その音にチルチャックは耳を澄ませた。
そして、壁を触っていき、レンガの一つを肘で押し込んだ。
すると、センシの背後にある壁が上がっていき、別の下への階段が現れた。
「今、何が起こった?」
「チルチャックは、罠発見や鍵開けの専門家なの。彼らハーフフットという種族は、感覚が鋭いから、音の反響で建物の構造を判別したんだと思う。」
「言っとくけど。この先罠だらけだから。」
ファリンに杖を返しながら、チルチャックはセンシに言った。
「こっちが指示するまで動くなよ。俺が最も嫌いなのは、仕事を邪魔されることだ。」
チルチャックは、念を押して言うと、先に階段を降りていった。
そして、ランタンに火を灯し、降りていくと、先に鉄格子がいくつもある広い空間にたどり着いた。
「待った。」
チルチャックが待ったをかけた。
「罠がどこかにあるか、調べるからそこで待ってろ。」
そう言うとチルチャックは、荷物を降ろし、上着を脱ぎ、靴を脱いだ。
ハーフフットという種族は、身長も低く、それゆえに体重も軽いため罠にかかりにくいという特性があった。
慎重な足取りで足下のタイルを調べていき、しゃがんで指でもきちんと調べていく。
「ココと、ココと、このタイルは踏んでいい。」
待っているファリン達にそう指示した。
そしてファリンとマルシルは、言われた場所を踏んで進んでいく。その後ろにセンシが続くのだが…。
次の瞬間、チルチャックがいる場所の下から無数の長いトゲが飛び出してきた。
「ひぃ!? 何やってんだ! 俺の許可したとこだけ歩けって言っただろ!?」
見ると、センシの足が糞では行けない場所に思いっきりはみ出していた。
「わしは小細工は好かん。」
「言ってる場合か!? 困るんだよ! 適当なことをされると!」
チルチャック曰く、罠といっても連動するのやら、影響し合うものもあり、一つが動くとどう罠が動くが変わってきてしまう。そのため計算をする必要があり、わずかでも変わってしまうとその計算が狂うのだそうだ。
ガミガミと怒るチルチャックだが、センシは嫌そうに目をそらし…、そして…。
「ちょ…!?」
思いっきり他のタイルに踏み込みだした。
そしてチルチャックの上から巨
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