第二章
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「教育委員会と市長さんとマスコミに通報してネットでも動画サイトに音声だけでもあげたから」
「暴力振るう教師にもか」
「負けなかったよ」
「床で背負い投げするってのは酷いがな」
「そんな奴にどうするかもわかってるし」
暴力、それを振るって相手に服従を強いる様な輩にはというのだ。
「だからね」
「負けないんだな」
「女装は続けていくよ」
「それが御前の人生ってやつか」
「恋人もいるしね」
天羽は微笑んで友人にこのことも話した。
「だからね」
「あの娘もか」
「大事だし彼女といてね」
「幸せっていうんだな」
「うん」
このことについてはだ、微笑んで言う天羽だった。
「僕は今ね、だからね」
「それでか」
「これからも女装でいくよ」
「御前のままでいくんだな」
「うん、ただね」
「ただ?」
「今僕素足だよね」
天羽は自分の今のファッションのことも話した。
「ミニスカートで」
「それがどうしたんだよ」
「これ女の子もだけれど」
こう前置きして言うのだった。
「僕ミニスカート大好きだけれど」
「下手に動いたら下着見えるとかか?」
「下着も女ものだけれどね」
天羽はそこまで徹底して女装しているのだ。
「そう、それならね」
「何か話が見えないんだけれどな」
「だから。毛だよ」
天羽が言うのはこのことだった。
「僕元々かなり薄毛でお髭も生えないけれど」
「元々男性ホルモン薄いんだな」
「胸毛とかもないよ、けれどね」
「ああ、どうしても脛毛はか」
「少しだけでも生えるから。手だってね」
今度はカレーを食べつつ空いている左手で右手を擦って話した。
「生えるからね」
「その処理が大変なんだな」
「これ女の子ならね」
それこそというのだ。
「誰でもだと思うよ」
「それで御前もか」
「いつもクリーム塗ってるから」
「脱毛のあれか」
「あと眉毛も手入れして。生えないけれどお髭のチェックもして」
見れば顎は文字通りツルツルとしている、髭を剃った後独特の青々とした感じは全く見られない。最初から剃っていない感じだ。
「それでね」
「毎日やってるんだな」
「それは大変だよ」
「毛な、俺はな」
友人は自分のことを話した、天羽と同じ位の背丈ですらりとしたスタイルで面長だが見れば髭を剃った後が結構目立つ。
「実は毛深い方なんだよ」
「お髭の後凄いしね」
「ああ、本当にな」
結構というのだ。
「胸毛だって脛毛だってな」
「実は凄いんだ」
「ああ、けれどな」
それでもというのだ。
「剃ってないな」
「だってその服装だとね」
男もののシャツにジーンズだ、その恰好ならというのだ。
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