神の国"スカイピア"
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油断も慢心もしたつもりはない。
ルフィの現在の実力も把握していた。
だが、それ以上にルフィの身体能力が突如として飛躍的に上昇したのだ。
「……!」
刹那の思考に走るアキトの眼前に普段の数倍以上の速度で移動したルフィが現れる。
全身から蒸気を発し、左手を此方に向けながら
「"ゴムゴムの銃"!」
その攻撃速度、通常の数倍以上
ルフィは気付いているのだろうか。
その異常性に、まるで強制的に戦闘力を倍にしている身体の様子に
だが、まだまだ攻撃は直線的かつ直情的だ。
それに後れを取るアキトではない。
ルフィの攻撃を半歩後ろに下がることで躱し、ルフィをゾロ達の下へと蹴り落とす。
木々に紛れ、ルフィ達の姿は見えない。
しかし、アキトは油断などしない。
あの程度で倒れるルフィ達ではないのだから
途端、ルフィ達の姿が鮮明に映し出された。
「三刀流……"三百煩悩"……」
「"ゴムゴムの"……」
『"攻城砲"!!』
此処にきて初めてアキトが危機感による防御の姿勢を取った。
両腕を胸の前で交差し、眼下から迫る衝撃を迎え撃つ。
アキトが防御の姿勢を取った瞬間、上空を震撼させ、大気を揺るがす程の衝撃が走った。
先程とは一線を画す威力だ。
極限の集中状態、瀕死の瀬戸際、刹那の秘められた力の解放
ルフィとゾロは無意識にも"覇気"を遣い、渾身の一撃を繰り出していた。
だが、両者の身体は鉛の様に重く、その身からは決して多くない血が流れている。
呼吸も荒く、満身創痍の状態で今にも倒れてしまいそうだ。
ルフィから立ち昇っていた蒸気は消え失せ、今にきて負荷が来たのかルフィは膝を付き、過呼吸を繰り返している。
くそ、傷が浅ェ……、俺とルフィの全力の一撃をもろに喰らってもあの程度かよ……!?
信じられないとばかりにゾロは瞠目する。
隣に佇むルフィも同様だ。
今なお上空に佇むアキトは健在だ。
両腕の手首は刀傷により僅かに流血し、額からは僅かに血を流している。
左胸から右わき腹にかけてはルフィとゾロの攻撃によって受けた刀傷が見受けられるが、言ってしまえばその程度
此方の渾身の一撃が然程効いていなかった。
今の状態で"煩悩鳳"を打ててあと二・三発が限界、どうする……!?
息も絶え絶えの状態でゾロは思考する。
ルフィの隣には復活したサンジもボロボロの状態ながらも上空のアキトを見据えている。
彼らの目は死んでいない。
宙に佇むアキトも眼下を見下ろし、戦闘態勢へと移行する。
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