第三十一話 TABRIS
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術台に乗り、横になる。
研究者達と医者達が、レイの体を固定し、レイの体に周りの機器と繋がったコードを取り付けていき、そして彼女の左腕に薄い赤い液体の詰まった筒と繋がった注射針を刺した。
シンジは、手術台の右側に椅子を置かれてそこに座った。
「綾波…。」
「碇君…。」
シンジは、レイの右手を強く握った。
「では…、開始します。」
計器を操作され、薄い赤い液体が細いチューブの中を流れ、レイの左腕に刺さった注射器から体内に流れ込み始めた。
「--------------!!!!」
レイは、大きく目を見開き、反射的に体を仰け反らせようとした。しかし手術台に固定されており、それはできなかった。代わりに声にならない叫び声をあげる。
「綾波!」
「血圧上昇!」
「心拍数急上昇! 危険です!」
「続行だ!」
鰐渕が叫んだ。
「ですがこのままでは心臓が…。」
「止めればそのまま即死だ! 続行以外にない!」
「G細胞完全適応者の体液の注入量を最小限に続行します!」
「いや、量はそののままだ!」
「ですが!」
「心拍数がわずかに低下! 酸素吸入を!」
研究者と医師達がレイの体の変化に対応するために忙しなく動く。
レイは、固定された状態で暴れていた。
体のあちこちの血管が浮き、彼女の中でG細胞完全適応者・ツムグの細胞が暴れ回っていることを知らしめる。
戦っているのだ。レイの中にある使徒の要素とツムグの細胞が。
ツムグの細胞によって使徒の細胞が死滅してはそれに代わる細胞に逆に再生を繰り返す。そこから凄まじい苦痛が発生している。
骨、皮膚、筋肉、内臓すべてにそれが発生している。
「体温上昇!」
「細胞の変化による抵抗だ。続行だ。」
「脳波が激しく乱れています! 脳がもたないのでは!?」
「いや続行だ。」
「鰐渕博士!」
「続行だと言ったら続行だ。」
他の研究者や医者が様々な報告と危険を言うが、鰐渕は落ち着いていて続行を言い渡す。
シンジは、周りの動きでレイの状態が危険なことを理解した。
レイは、もう暴れていない。だが酸素吸入を受けていて時々体が痙攣している。
シンジは、両手で握っているレイの右手を握り直した。暴れている時痛いくらい握り返されていた手の力はもうない。
レイの体に浮いていた血管が少しずつ消えていく。それが意味することが吉なのか凶なのか…。
「た、大変だーーー!!」
実験室の外に若い研究者が駆け込んできた。
「なんだ、何の騒ぎだ!?」
「今外で…!」
その時、大きな揺れが建物を襲った。
外に立ち会っていた人間達も内にいた者達もバランスを崩す。
電源が
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