第十一話 IREUL
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思うよ。でもさぁ…。」
青白い光の粒は、数を増し、やがてツムグにとって崇拝する相手の姿を象っていった。
ツムグは、それを気に入らないという目で見つめる。
「その“もてなし”は、すっげーーーーーーーーーーイヤ!」
青白い光で出来たゴジラの形を指さし、ツムグが絶叫した。
使徒が模した青白い光のゴジラがゴジラをマネした雄叫びを上げ、足を上げてツムグを踏んだ。
「下手なマネなんかするなーーーー!」
一目で偽物だって分かるが、ツムグにとって崇拝する相手を敵が模しているのは心底気に入らなかった。
ツムグは、踏まれた瞬間、地面に空いた漆黒の闇の中に落下しながらそう叫んだ。
ツムグが穴の中に消えると、ゴジラを象っていた青白い光は散り散りになり、ツムグを追撃するべく穴の中に入って行った。
その様子を離れた場所から見ている存在があった。
パッと見、影のようにも見える辛うじて人型のそれは地に膝をつき、どうすればよいのか途方に暮れていた。
-----------ツムグ…、----…--- ツ ム グ -----
どこか儚さを感じさせる女の子のような声が、響いた。
***
第三新東京を目指して全身を続ける、使徒に乗っ取られた機龍フィアの背中の真ん中あたりで、尾崎は、機龍フィアの背筋の凹凸を掴んで宙ぶらりんになっていた。
「くっ…! あと少しなのに…!」
首筋の下を目指してほぼ垂直な機龍フィアの上へを走っていたが、ネバネバした形状で襲って来る使徒の妨害が激しく、使徒から身を守るために張っているバリアを保つために余計に体力が消耗されてしまい、このままではまずいと方向転化した時、使徒からの攻撃がこない部分があることに気付き、慌ててそこの部分に移動したのだが…。
「背筋は使徒がついてないのか? 初めから背筋を登って行けばよかった…!」
今更悔やんでも仕方ない。登っている途中、風間や他の部隊から攻撃が背筋に向かって行われていたので背筋を避けて動いていたからだ。
ゴジラも迫ってきているし、とにかく時間がないので消耗した体力の回復を待たずに外部に設置されたリミッター制御装置を目指すしかない。
尾崎は意を決してバリアを張り直し、再び機龍フィアの表面を登り始めた。
安全圏から出たことで再び使徒からの攻撃が始まったが、それを乗り越え、やがて目標の首筋の後ろに到達し、作戦を知らされた時に見たデータに記載されていた外部に取り付けられたリミッター制御装置を探して周りを見回した。
「! あった!」
背筋の後ろのやや横辺りに禁止マークが描かれた不自然な装甲の板があり、尾崎はそこへ向かって足を踏み出そうとして…。
「っ、なんだっ!?」
ズ
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