第十一話 IREUL
[12/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
戦を伝えられた時、風間は自分もと志願しようとしたものの、尾崎と風間の両名が失われる事態になった時にリスクを説かれ、それでも引こうとしなかった風間を熊坂が殴るという事件が発生したものの、熊坂に叱られ、やるべきことを説かれた風間は、殴られたことで口の端から血を垂らしながら悔しさに拳を握りしめながら感情を押さえた。
走り続け、やがて機龍フィアとの距離が目と鼻の先になった時、尾崎達は止まり、そして仲間達が陣形を組んだ。
尾崎を、機龍フィアのボディに飛ばすために。
「頼んだぞ、みんな!」
尾崎が部下であり仲間であるミュータント兵士達の顔を見渡して言うと、彼らは力強く頷いた。
ミュータント兵士達の超能力が集まり、尾崎の体を機龍フィアへ飛ばすバネを作り出していく。
地響きと舞い上がる砂塵に妨害されつつもついに完成された跳躍のための超能力のバネが完成し、尾崎が助走をつけてそこへ向かって走った。そして地を蹴り飛んで、その見えないバネを踏みしめた時、尾崎の体が僅かな残像を残して消えた。
尾崎が消えた後、バネを作るのに尽力したミュータント兵士達は、膝を地に着いたり、その場に腰を落とすほどの疲労感に襲われた。
「たの…み……ます…、少尉…。」
膝をつくだけじゃ足りず手もついたミュータント兵士が、機龍フィアへ飛んでいった尾崎に向かって祈った。
何人ものミュータント兵士の超能力を束ねた強い力で瞬時に機龍フィアのボディすれすれのところへ瞬間移動した尾崎は、フックを飛ばして機龍フィアの体の凹凸に引っかけ、機龍フィアのボディの上、腰のあたりに足をついた。
次の瞬間、機龍フィアの体に走っていた青白い光が生き物のように反応した。それを尾崎はすぐに察知し、全身にバリアを張ると、機龍フィアのボディの表面からネバネバとした形状の青白い光が尾崎を襲おうとしてバリアに弾かれた。
「っ、くっ!」
フックについたワイヤーを握る手に違和感を感じてそちらを見た時、引っかけたフックを伝って青白い光を放つネバネバがワイヤーを溶かしながら尾崎の手に向かってきていた。
尾崎は素早くワイヤーから手を離し、ほぼ垂直に機龍フィアの体に立った。
弾かれても襲って来る使徒と思われる青白い光のネバネバが波のように動いて尾崎に迫りくる。尾崎は、機龍フィアの首の付け根を目指してほぼ垂直で、しかも凹凸がある機龍フィアのボディの上を走った登った。
***
「M-1班からです。尾崎少尉を機龍フィアに飛ばすのに成功したと。」
前線司令部のオペレーターがヘッドフォンに片手を当てながら司令官に伝えた。
「M-2班から、機龍フィアの背骨への攻撃を開始の合図ありました。」
「機龍フィアの動きはどうだ?」
「変
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ