第十一話 IREUL
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ら手動で操作が効くように保険がついている。まあこれについては他の軍事兵器だけじゃなく、一般の物にも備え付けられていることであるのだが。
機龍フィアは、七つのリミッターを組み込まれており、これを解除するとすべての機能が高まる設計になっている。要するにこのリミッターは、素体の中にあるツムグの細胞の活動を抑え込んで、いざ外すと反動で活動が活発化するのを利用したピンなのだそうだ。
通常は操縦者(椎堂ツムグ)の判断で解除、または蓋をし直す物なのだが、何らかの理由で内部からの制御でリミッターが解除できなかったり、逆に蓋のしなおしができなかった場合に備えての緊急時用として外部に取り付けたリミッター制御装置があることを技術部が科学部に教えたのである。
なにせもしもの時、つまり緊急時…、それでいてまだ一度も作動させたことがないため正常に作動するかはぶっつけ本番なのだとか…。ちなみに取り付け自体は機龍フィアの開発時に行っていた。だが未知数のG細胞完全適応者の遺伝子細胞を使っているため制御装置がきくかどうか分からず機龍フィアに何かしらの変化が起こったり修理や改良のたびに新しく作り直された物を取り換えていたので結果としてぶっつけ本番になってしまったのである。
この外部に取り付けられたリミッター制御装置を使えば、攻撃目標の素体…、この場合背骨部分に無駄弾を使わずともツムグの遺伝子細胞を一気に活性化させられるはずらしいのだが、問題なのは、その取り付けられている場所である。
「なんで首の後ろの付け根なんでしょうかね!? もっと低いところにつけろって話ですよ、まったく!」
「試行錯誤してるんだ、仕方ないだろ…。」
……首の後ろの付け根(背骨の左方向)にあるというのである。
100メートルの一番上ではないが、それでも高すぎる位置にある。しかも不安定。それでいて動いている。あとその制御装置の設計図によると手動で捻る代物らしい。
そこまで登るのなら尾崎じゃなくても、風間や高いところに登るのが得意なミュータント兵士でもできることであるのだが、なにせまだその性質や形状などが不明な使徒が取りついてる機龍フィアに登るとなると使徒から攻撃を受ける可能性が非常に高く危険すぎた。そこでカイザーである尾崎に白羽の矢が立ったのである。尾崎の素質はまだまだ底が見えないため本人の心の在り方のせいか力が抑えられ気味なところがあり、感情の高ぶりやヤバい時の咄嗟のことで普段以上の力が発揮される場面がこれまでに多々あった。だから使徒(敵)の懐に飛び込むにあたりサイキックによるバリアを張って身を守りつつ、かつその状態を維持しつつ外部に取り付けられた制御装置を作動させるために機龍フィアの巨体を登らなければならない。そうなると風間や他のミュータント兵士では無理なのである。
作
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