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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第七話  椎堂ツムグの決意 その1(※一部書き換え)
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うと風間は思った。
「もしかして他の機体を希望してたかしら?」
「いや、十分だ。エヴァンゲリオンを一度しっかり見ておきたかっただけだからな。」
「そう…。そういえば、あなた達は、第三使徒襲撃の時、初号機によじ登ってたわね。」
「パイロットを保護しろと命令されたからだ。」
「そう。あの子は元気?」
「それを聞いてどうする?」
「ただ気になっただけよ。…あんな方法で無理やり乗せたから。」
「…ふぅん。自覚はあったのか。」
 シンジに初号機に乗るよう誘導したことに少なからず罪悪感を持っているのを感じ取った風間は、目を細めてリツコの横顔を見た。
「レイのことも保護してるんでしょ? あの子、免疫が弱いから定期的な処方が必要だったんだけど、地球防衛軍の医療技術なら問題無わね。」
「単刀直入に聞かせてもらうぞ。」
 レイのことで少し感傷にふけるリツコに、風間がきつい口調で言った。
「エヴァンゲリオンは、使徒なのか?」
 風間の言葉に、リツコは答えなかった。それを風間は肯定と受け取った。
「…なるほどな。じゃあ、俺はそろそろ仕事に戻る。俺の要求に応えてくれたことには、感謝するぞ。」
「これぐらいなんでもないことよ。ねえ、言うこと聞いてあげたんだし、お礼に私の我儘聞いてもらえるかしら?」
「……なんだ?」
 急にニコニコ笑いだすリツコに、風間は思わず一歩後ずさった。

 数秒後、『いでぇ!』っという風間の短い悲鳴があがった。




 風間と別れたリツコは、それはそれはご機嫌な様子で研究室に戻ってきた。
 戻ってきて数刻せず、研究室の扉が開き、オペレーターのマヤが現れた。
「あの先輩、頼まれてた書類が……、あの、随分ご機嫌ですね? 何かあったんですか?」
「ええ。いい退屈しのぎができたの。ウフフフ。」
 リツコは、マヤから書類を受け取り、マヤが退室した後、白衣のポケットから、シャーレに入った毛髪を宙に持ち上げて顔を和ませた。
 この毛髪は、風間の髪の毛である。
「ウフっ、ミュータントの細胞に触れる機会が巡ってこなかったから大収穫だわ。それもピチピチの若いイケメン現役ミュータント兵士。最高だわ…!」
 リツコは、風間の髪の毛が入ったシャーレに頬ずりしそうなほど顔を緩ませて興奮していた。



「風間…、どんまい。」
 研究所の外の扉の横に立ってるツムグが、両手を合わせて風間を憐れんだ。
 ツムグは、この数秒後にまた目的を忘れていたことを思い出して、大慌てで移動したのだった。



 尾崎と音無の協力者として秘密裏にエヴァンゲリオンの視察をして、監査官の護衛の仕事に戻った風間。
 地球防衛軍の基地で異変を感じとって駆けつけてきた椎堂
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