第七話 椎堂ツムグの決意 その1(※一部書き換え)
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思考にふけていた加持は、羽交い絞めにしていたミサトに肘で腹をつかれて体を二つ折りにしてその場に蹲った。
加持を撃退したミサトは、怒りの感情のままに去って行った風間を追いかけて走って行った。
「ま、待て…。いくらおまえでも風間少尉に勝てないっていうか…、風間少尉に手を出したら地球防衛軍が…ネルフに……、ウグッ。」
加持は遠ざかるミサトの背に手を伸ばすも、その場に倒れてしまった。
***
風間がネルフに来たのは、地球防衛軍からネルフに行くよう命令された監査官の護衛のためだ。
護衛にあたっているのは風間だけではない。風間の仲間のM機関所属のミュータント兵士も何人もいる。
風間は、その護衛として派遣されたミュータント兵士達の指揮を執る立場である。
護衛対象の監査官は、ネルフ総司令官ゲンドウと副司令の冬月がいる指令室に籠っている。でかくてごっつい旅行用カバンに書類を詰めていたのだから、ねっちねち責めているに違いない。
監査官の身に何かあってもすぐ対応できるよう仲間を配置し、風間はネルフ本部を見て回っていた。
いまやほぼ全ての権限を失い、ゴジラを誘き寄せるためのエサ扱い状態のネルフだが、マッピングなど情報を頭に叩き込んで置くに越したことはない。もしも使徒が侵入した場合の対応に即座に備えられるから、これも仕事の一環だ。
ネルフ本部のマッピングは勿論だが、風間は無駄に広大で入り組んでいるネルフ本部の中で、ある物を探していた。
探し物は、エヴァンゲリオンである。
尾崎と音無からエヴァンゲリオンが使徒から作られたもので、幼い子供の親を材料にしている疑いがあること。そして尾崎がシンジの心にダイブした時に仕入れた情報からサードインパクトとジンルイホカンケイカクなる謎の災厄の鍵である可能性があるため、その真実を確かめるためである。
しかし、さっきからずっと歩き回っているのだが、一向にエヴァンゲリオンのところに辿り着けずにいる。
決して方向音痴ではない。むしろ持ち前の特殊能力もあって一度通った場所はまるでゲームや本に挟む栞のように頭に記録している。
権限を奪われる前に機密としていたのでそう簡単には見つからないようにしているのだろう。世界最高峰の技術力と情報網を持っていたネルフがミュータントの特殊能力で機密が暴かれるのを防ぐ対策をしていても不思議ではない。
M機関の設立は、ミュータントの社会的地位の保証と同時に、犯罪に走るミュータントを無力化させる技術を編み出すことになるのだ。
ネルフにもしっかり、その技術が使われていることに、風間は、舌打ちした。
「あら? お仕事はいいのかしら? M機関の方。」
プシュッと音が鳴って、通路沿いにあ
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