第七話 椎堂ツムグの決意 その1(※一部書き換え)
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てないだろ?』っとか、『マイペースに気楽な人生送ってるな』っとか言われてきたけど、ずっと、ずっと…、考えてた。ゴジラさんの細胞を持ってるのに怪獣でもない人間でもない俺はどう生きればいいかって。何ができるんだろうって。だからどんな実験にも付き合ったし、機龍フィアを作る時だって、データ取りのためにゴジラさんと戦わされても俺にできることだからって思ってた。けど、なんか、足りなかったんだ。それがはっきりしないままズルズル来て、ここであの子の分身達を壊して殺して、俺は……、何かがカチッてはまった気がした。俺は、あの子に…、生きていてほしいんだ。せっかく築いたシンジとの絆…、幸せってものを掴んでほしいって…、俺なんかが親気取りしたってなぁ。」
焼け焦げた地下プラントで、両手を広げたツムグがケラケラと笑っていた。
その目からツーッぽたりと透明な滴が零れて焼け焦げた床に落ちた。
G細胞完全適応者になる前の記憶がなく、怪獣でも人間でもない世界でたった一人の存在であるツムグは、マイペースに周りを振り回すお気楽なキャラクターを気取りながら心の内では、数十年のも歳月をかけても出せない自分自身の存在意義についての大きな悩みを抱えていたのだ。
G細胞の爆発的なパワーもあり、“カイザー”である尾崎にすらその心の内に見抜かせなかった、隠し続けた本音。
ネルフ本部の地下プラントにあった綾波レイのコピー達を殺し、レイが二度と歪んだ輪廻を繰り返させないようにし、レイの新たな人生のために力を尽くそう。
それが、ツムグが自身の存在意義に繋がる決意の一つとなる。
「アハハハ、目に煤が入っちゃったかな? って、そういえば、肝心のアイツ! 初号機はどこだ!?」
地下プラントの一部を破壊したツムグは、ゴシゴシと腕で涙を拭うと、瞬間移動のごとくその場から消えた。
***
一方そのころ。
大停電に陥ったネルフ本部内。
今現在、加持は、とても気まずい気持ちで一杯だった。
加持がなぜそんな気持ちで一杯なのか、少し時を遡る。
自分に肘の一発を入れて風間を追いかけて行ったミサトの行方を捜していたら、ネルフ本部が暗くなった。
非常時の時のために持っていた小型の懐中電灯を取り出して通路を照らした時。
すごく見覚えがある頑丈そうな黒いブーツとジャンプスーツで覆われた足が目に入った。
懐中電灯の光を下から上へ移動させたら、機嫌悪そうな若い男の顔が真っ直ぐこちらを見ている状態が分かった。
ミュータントの能力ならこんな真っ暗な状態でも光も無しで普通に行動できる。現に加持の数メートル前の方にいる風間が暗い中で加持の存在を認識していた。懐中電灯で照らした顔がそれが真実だと物語っている。普通なら
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