第五話 ゴジラはどこへ行った?
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画のためにやったことが最強最悪のイレギュラーを強化させて、人類補完計画を台無しにすることになるとは、誰も考えていなかった。
そもそもセカンドインパクトのあの大破壊から生き延びたゴジラが異常過ぎるのだが…。
『例えサードインパクトを起こしたとしても、あの怪獣は殺せそうにない気がしてきたのだが…。』
『貴様! 弱気になるな! 怪獣とはいえ所詮は生物なのだぞ! 神に勝てるわけがなかろうが!』
『ゴジラは、破壊神と言われているのだが…。』
『それはただのあだ名だ! 奴が本当に神というわけではない!』
『議長…、いかがしましょうか…。議長?』
「……」
モノリスの一人が中央にいるキールに話しかけたのだが、キールが片手で額を、もう片方の手で腹を押さえて俯いたまま、動かない。今気付いたが、キールが座っている席に色んな種類の胃薬と頭痛薬があった…。
『ああ…、議長。お気持ちはお察しします。』
『やはりゴジラをなんとかせねば人類補完計画どころではない。しかし我々にはゴジラに対抗できる力がない。』
『地球防衛軍どもがゴジラを駆逐するのを待つしかないと言うのか? それではあまりにも時間が足りぬ!』
『そうだ! 我々に残された時間は少ない! 待ってなどいられるのだ!』
ゼーレは、……結構追い詰められていた。
実は、ゴジラは、見えないところでコソコソしているゼーレの老人達も殺してやろうとしているのだが、それを知るのは、ゴジラの気持ちが分かる椎堂ツムグだけである……。
***
ゼーレが見えないところで追い詰められて苦しんでいるのを知っている椎堂ツムグは、基地内にある研究機関の自分の自室(彼専用の檻とも言える)のベットの上で寝っ転がったままケラケラ笑っていた。
「プッ…、くっ、ハハハハハ…、あのおじいちゃん達ってばホント諦め悪いっていうか、しぶとい汚れよりしぶといっていうか。人類のためとかいう無理心中やる前にやれることやれって感じ。そんなだから地球防衛軍に切り捨てられてなーんにも上手くいかないのにさ。あー、おっかしー。」
そんなに質が良いというわけじゃない簡素なベットの上で枕を抱えてゴロゴロ転がりながら笑っている様は、異質以外の何者でもない。
しかし笑い転げていたツムグは、急にピタッと止まり、表情を無にした。
「……そっか…、“あの子”のことすっかり忘れてたな。」
枕を放って、むくりと起き上がり宙を見上げる。
「あっちは、あっちで。こっちはこっちで面倒なことやっちゃって…。可哀想に。しっかし…、今は他の使徒とエヴァがあるからともかく、ゴジラさんが見逃すはずないし…。あの子が生きるには…。おぉ?」
太ももの上に頬杖をついてぶつぶつ呟いていたツムグは、
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