「これが『きもかわいい』というものなんですね」
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でいる女神ならば知っているのではないか、というアルゴの情報を頼りにして、実際に行ってみようという話になって。とはいえ邪神クラスが闊歩するフィールドに、あてもなく女神を求めてさ迷うわけにはいかず、この場所でも飛べる友人を持つリーファを呼んだ。
……用心棒としての意味合いも多少。
「やっぱりこのゲームは飛べないとね。なんでも協力するよ!」
「なるほどね」
「……しかし話はユイちゃんから聞いたが、本当なのカ?」
「最初はビックリしますけど、優しい子ですから大丈夫ですよ?」
そういう問題じゃなくてだナ――というアルゴの呟きは誰にも届くことはなかったが、下り階段が終わりを告げたことで《ヨツンヘイム》へと消えていく。あからさまに雰囲気の異なるその場所に、プレミアは警戒しながらも踏み入れると。
「……キレイです」
プレミアの目に映ったものは、初めて見た一面の銀世界だった。数少ない光源となっている水晶によって、溶けることのない雪が薄く照らされており、プレミアは無意識に小さく呟いていた。今まで自分がいた浮遊城とは違う景色に、初めて訪れた場所にもかかわらず、プレミアは不思議と懐かしい思いを感じていた。
「なつか……しい……?」
記憶がないどころか何もなかった自分が、どうして『懐かしい』などと感じてしまうのか――その答えがプレミア本人にも説明することが出来ず、確かめるかのように《ヨツンヘイム》の大地に手を伸ばしてしまう。
「ちょっと、危ないわよ」
「あ……すいません、シノン」
「どうかしましたか?」
「いいえ、なんでもありません」
無意識に《ヨツンヘイム》へと手を伸ばしていたプレミアが意識を取り戻したのは、そのまま落下しそうになっていた彼女を、ギリギリのところでシノンが引き止めたおかげだった。シノンが気づいていなければ、プレミアはそのまま落下していただろうが、プレミア本人にもどうしてそんなことをしたか分からずに。
「見とれちゃったかな? ここ、見てるだけなら綺麗だもんねー」
「見とれる……なるほど」
「…………」
「それじゃ、気を取り直して……トンキー!」
リーファが推測した理由は、たぶん違っていた――ものの、プレミア本人にも理由を説明できなかったために、ひとまずはそれで納得しておく。実際にプレミアを引き戻したシノンも違和感を感じているようだったが、口を挟むことはなく――そうして、リーファは友人の名前を呼んでいた。
「……おいおい、マジかヨ……」
「プレミアちゃん、アルゴさん、紹介するね。友達のトンキー!」
「見た目と違って優しい子ですから!」
そうして現れたのは、象クラゲ、などと評される異形の化け物。巨大な飛行する体躯に触
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