「これが『きもかわいい』というものなんですね」
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備で大丈夫か?』」
ところ変わって、《央都アルン》――にほど違い平野。近くに世界樹の幹が延びてきてはいるが、特に何か観光地があるわけでもない、そんな場所にプレミアたち三人は待っていた。
「来ました!」
「プレミアちゃん、ユイちゃん、お待たせー!」
いや、三人だけではなく。シルフとケットシーがさらに二人、まるで浮遊城からそのまま落ちてきたかのようなスピードで飛翔してくると、地面スレスレで翼をピンと伸ばして着陸する。シルフの方はそんな飛行に随分と満足そうな表情を見せつけていたが、無理やり付き合わされたらしいケットシーは少し青ざめていた。
「わざわざ来てくださってありがとうございます、リーファ。シノンも」
「ううん! 私たちもプレミアちゃんともっと仲良くなりたかったし。ね、シノンさん」
「ええ、そうね……それと、もう一人いるみたいだけど」
「オレっちは二人のことも知ってるけどナ。情報屋のアルゴ、よろしく頼むヨ」
リーファがプレミアを赤ちゃんのように持ち上げて、高い高いと掲げている間に、シノンが初めて会うこととなったケットシーを視線で射ぬいていた。そんな視線をクスリと笑っただけで受け流しつつ、アルゴは愛想よくシノンとリーファに握手を求めていた。
「アルゴさんですね。お……キリトくんから話は聞いてます。よろしくお願いしますね!」
「別にお兄ちゃんって呼んでもいいんだゾ?」
「ふぇっ!?」
「さて、積もる話もあるだろうが、歩きながらにしないカ?」
「そうね、さっさと行きましょう。こっちよ」
一応は秘密にしているつもりのはずの兄のことを一発で言い当てられ、狼狽するリーファをあえてスルーしつつ、アルゴは世界樹の幹に隠された階段を進んでいく。光るキノコのみに照らされた階段は怪しく輝いており、まるで地獄に繋がっているかのようで――あながち間違いでもない。
この階段は《アルヴヘイム・オンライン》の中で最も地下深く、光の届かない地獄であるヨツンヘイムなのだから。
「ちょ、ちょっと待ってください! 隠してた階段もお兄ちゃんも、なんで知ってるんですか!?」
「リーファ。アルゴはなんでも知っています。《ねずみ》です」
「鼠はともかく、情報については企業秘密サ……ユルドによるがナ」
「……この前、新しい武器を買って今は手持ちが……」
「そんなことより。私、偶然リーファと会ってついてきただけなんだけど、今から何をするの?」
「はい、それはですね!」
事情も分からずついてきたシノンへの説明も含めて、《ヨツンヘイム》へ繋がる階段を下りながらユイがまとめていく。
いわく、プレミアが空を飛べるようになる方法。このヨツンヘイムだろうが飛ん
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