「これが『きもかわいい』というものなんですね」
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抱っこじゃないか?」
キリトの行動を一挙手一投足全て見抜いているような――今のショウキには知るよしもないが、実際に正しい予想をしてみせたアスナが、リズからの申し出にニヤリと笑う。ただし、邪魔どころか、以前にアバターを初期化してしまったショウキとリズでは、むしろアスナに頼りきりになってしまうのでは、とショウキが伝えたところ、そんな笑顔は不満げなものに変わってしまう。
「……もう。ショウキくん、そういうことじゃなくて! 二人のデートの邪魔に――」
「そ、そうそう、邪魔なわけないでしょ! なにかオススメの場所とかない?」
「もう……やっぱり、最近話題のエルフクエストじゃない?」
アスナが不満げな表情を見せた理由を語る瞬間、リズがコーヒーを差し出しながら割り込んだ。三人で一服を済ませつつアスナの案を聞けば、ショウキも聞き覚えのあるエルフとの共闘クエスト。
アインクラッドの一部の層に現れたエルフに協力し、彼ら彼女らを襲う呪いを退治することで、エルフの技術で作られた装備が手にはいる――という大型クエスト。とある情報屋によって発見されたそれらのクエストは、今やこの《ALO》の人気コンテンツと化していた――
「そういえば、行ったっきりだな」
――などと、他人行儀な解説をするまでもなく。とある情報屋ことアルゴという仕掛人はいたものの、そのエルフとの共闘クエストを解放した一人にもかかわらず、ショウキは肝心のクエストには参加していなかった。エルフ装備が売りに出されている、という評判から店が忙しくなり、引っ越し騒ぎなどが重なったからだが。
「私はたまに行ってるけど、ショウキくんもリズも、忙しくて行ってないんじゃない?」
「うん。決まりね。でも、そうと決まればプレミアも連れていきたかったわね……」
「ああ……」
先の戦い、プレイヤーにもエルフにもどうしようもなかった呪いの暴発を、プレミアは祈りで鎮めてみせた。それからエルフたちには『巫女殿』などと呼ばれていて、プレミアの正体に何か関係があるか――というところで、エルフクエストを中断してしまったのだが。
「キズメルに会えたら聞いてみようね」
「そうね。それじゃ、エルフの里に出発!」
ダイシー・カフェ併設のリズベット武具店のあるアインクラッド第二十二層から、エルフの里がある第十層以前はそう遠くもない――というより、転移門ですぐの距離だ。とはいえ転移門がエルフの里に伝わっているわけではないので、主街区から少しばかり飛ぶ必要はあるが、特に問題もなく森まで三人は飛んでいった。その理由がこの第六層特有の、やたら難解なパズルギミックの不人気さとは無関係ではないだろう。
「あったよー!」
そんなパズルギミックを飛翔することで全て無視
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