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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)
第三話  使徒の反撃!
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ダラと汗をかいた。音無はそんな尾崎を見てため息を吐いた。自分がどれだけやめるよう言っても聞かないのはもう分かりきっているのだが、愛する人の身を案じるのは当然である。
「私も行くから、行くなら早く行きましょ。ダメって言ってもついていくからね。」
「…分かった。」
 音無の監視のもと、尾崎は、シンジがいる病室に向った。
 病室に入ると、最初の頃と違い、沢山あった医療機器がなくなり、最低限の機器がシンジの体に繋がっていた。
 近づいて見ると、死体と見間違えそうなほどゲッソリと酷い状態だったシンジは、すっかり顔色がよくなっており、静かな寝息を立てて眠っている。音無の言う通り、もう目を覚ましても不思議ではない状態だ。
「よかった…。ずいぶん元気になったんだな。」
「そうね。ここに運ばれてきた時に比べたら雲泥の差ね。」
 尾崎の安心した言葉に、音無も同意してそう言った。
 尾崎が、シンジの瞼にかかっていた髪の毛をそっとどけようと手を伸ばし、指先が触れた時だった。
 シンジの瞼がピクピクと反応したのだ。
 目覚めの予兆に尾崎と音無は、顔を見合わせた。
 そして二人の目の前で、シンジは、微かなうめき声を上げながら、ゆっくりと瞼を開けた。
 何日も眠り続けたためか、ほとんど光を認識しきれていないらしく、目の焦点があっていない。
 しかし徐々に目の機能が回復を始め、眩しそうに目を細め、やがてベットの横に立っている尾崎と音無の存在に気付いて、そちらを見た。
「………誰…、ですか?」
 掠れた声でそう言った。
「よかった。目を覚ましたんだな。」
「気分はどう?」
 二人が優しく聞くと、シンジは、困惑した表情をした。
「ここ…どこ? 僕は…、確か………。ヒッ!」
 シンジがあの時のことを思い出したらしく、恐怖で顔を歪めて頭を抱えた。
「大丈夫! 大丈夫だ! ここにはゴジラはいない! 君はもう、エヴァンゲリオンに乗らなくてもいいんだ!」
 恐怖でガタガタと震えるシンジの体を、尾崎が包み込むように抱きしめた。
「い、いやだ…、やだ、やだ…、やだ、やだやだやだやだ! 怖い怖い怖い!」
 尾崎を振りほどこうとシンジが暴れた。
「大丈夫だ! 本当に、もう…、大丈夫だから。君はもう、お父さんに怯える必要はない。怖いのを我慢して戦わなくたっていいんだ。君のことを責めたりなんかしない。君は、ここにいていいんだ!」
 尾崎の最後の方の言葉に、シンジがびくりと体を跳ねさせ、硬直した。
 尾崎は、初号機からシンジを救出するとき、そしてシンジの壊れた心を治療するために精神感応で精神をダイブさせた時、シンジが何に怯え、どういう経緯でエヴァンゲリオンに乗らなくてはならなくなったのか、そして何を渇望して
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