純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 8
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て、静寂で安らげる場所を提供致します」
……要するに。
「誰にも言ってないから信じてくれ、と?」
「私は自らの意思で主神アリアに忠誠を誓っています。お疑いでしたら、如何様にも御下命下さいませ」
「別に、疑っちゃいないけどさぁ……じゃ、ソコで石像になってるバカ親父を解放してやってよ」
「私に死ねと!!?」
「落涙しながらぶっ飛んだ発言すんなよっ! ホント滅茶苦茶だな、あんた!?」
「可愛いものを可愛いと言って愛でるのは、全生物の使命であり義務ですのよ!?」
「そんな使命も義務も聴いたコト無いわ!」
「私が作りました」
「だと思った!」
仕方ない、とかぼやきつつ立ち上がって渋々片付け始める二人の背中を横目に、どうして寝起きで声を荒げてるんだ私は……と、俯いて溜め息を吐いた瞬間。
「外見や中身がどうであろうと、ロザリア様が父親だと認めているのであれば、それが答えで良いのではないでしょうか」
猪の姉ちゃんじゃないほうが、そう呟いた。
パッと跳ね上げた視線の先で、よく似た二つの顔が私を見て笑う。
「「おはようございます、ロザリア様」」
その笑い方に含みなどは無く……
「…………すっっっっごい、疲れた……。いつの間にか私の服まで変わってるし……」
「其方はリーシェさんに手伝っていただきました。今、温かいお茶を淹れますね。クロスツェルさんが作ってくださったお昼ご飯もありますよ。お腹が空いているようでしたらお持ちしますが」
「頼む」
「かしこまりました」
「それと」
「はい?」
「解り難いにもほどがある気遣いを、どうもありがとう。」
私の心情を汲んで用意してくれた場面にしては、若干悪趣味な気もするがな。
「「どういたしまして」」
同時に返事をした二人は、ベッドの周りに散らかった無数の衣服を素早く回収して飲食物を出してくれた後、それぞれの仕事へ戻って行った。
クロスツェルが作ったらしい昼飯には、まだ人間の習性を捨て切れてなかった頃のアリアが好んで食べてた百合根の煮物が入ってて、ほくほくした食感とほんのり感じる甘味でちょっとだけ懐かしい気分になった。
ま、私自身には「食べてる記憶を見た」程度の思い入れしか無いんだけど。
当時は現代ほど調味料が豊富じゃなくて、水煮くらいしか無かったっぽいんだよな。でも、香り良い葉っぱで包んで炙り焼きにした物は、なかなか良い感じだった。
口の中を火傷しそうになりつつ熱い熱い言いながら百合根を食べるアリアの姿は、絵面的に結構間抜けで笑えるぞ。
「な? バカ親父」
コッチは全然笑えないがな。
「お前、いつまでそうしてるつもりだよ?」
頭にリボンを巻いてる、現代風のおしゃ
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