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3章 穏やかな日々
23話 将来の旦那さん?Part3
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?」
「あら、あんた知らないの?小説や漫画なんかではよくあるけど、現実では幼馴染の恋は実らないもの。結局はポッと出てきた運命の人と結婚するのよ」

「…うん、一回表出ようか」
「リア、流石にそれはまずいよ…」

 にっこり笑って吐いた言葉は“表へ出ろ”。いつの時代のヤンキーだ。ツカサは慌てて仲裁に入った。だが、

「暴力で解決しようだなんて、だからあんたは馬鹿なのよ。私に口で勝てないからって」
「…うん?ごめんね、よく聞こえなかったな、もう一回言ってくれる?」
「暴力ですべての物が片付くと思ってるあんたは、猿と同類って言いたかったの。わかる?人間の最大の特徴である言語を使おうとしないだなんて、ほんとに猿」
「やっぱり一発殴られたほうがいいみたいだね。生きてることを後悔させてあげる」
「リア、お願いだから抑えてくれ…」

 

―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―

 夜の教会は、昼間の時の騒がしさが嘘のように静かになる。遊び疲れた子供たちは、毎日10時には全員深い眠りへと落ちるからだ。子供たちが寝る部屋が連なる教会の二階の廊下は、耳が痛くなるほどの静寂に包まれていた。

 だが、真夜中の零時をとうに過ぎ、丑三つ時に差し掛かろうとした時だった。ドアがゆっくり開く音が微かに響くが、誰かが出歩く足音はない。しかし、確かに息をひそめた誰かが廊下を歩いている気配がある。

 その気配はゆっくりと前進し、やがてあるドアの前で止まる。一番突き当りの左側の部屋だ。




 カチャリ


 
 静かな音を立てて扉があく。この教会の管理人のような名義のサーシャの意向で、教会に住んでいる子供ならだれでも、どの部屋でも開錠できることになっているのだ。


 
 ドアの隙間はゆっくりと、だが着実に大きくなってゆく。やがて、その隙間が人一人入れるほどまで開いたとき、気配はするりと部屋の中に侵入する。

 部屋の中は、角部屋で窓が二つあるせいか、月の光で廊下よりも明るく照らし出されていた。入って右隅には机といす、左側に一人で寝るには少々大きめのベッドという、粗末なつくりだが、今は月の光のせいで、妙に絵になる。

 いや、月の光だけのせいではない。

 微かに上下するベッドの掛布団、広がるダークブラウンの長い髪、月夜に浮かび上がる滑らかな肌。それはまさに、眠れる森の美女。精巧な作り物のような彼女の造形美は、本当に人間かと疑いたくなるほどだ。


 今まで何の空気も乱さなかったその気配に、初めて怒りと憎しみの感情が漂いだす。そして、それはやっと姿を現した。艶やかな黒髪が光を照り返す。



 それは…いや、少女はそっと布団の上に投げ出されている力ないリアの右手を持ち上げ
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