18.奥の院での死闘(前篇)
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めぇは?」
王仁丸は、近づいて来る女僧を睨み付けた。
「わが名は、風伯。嵐の師でもあった。が、愚かな弟子は、日光に付きおった」
風伯と名乗った女僧は、嵐の師としては、若くみえた。まるで、姉妹のようであった。
「薬師大医王に逆らう愚か者共を殲滅するのが、我らの指名。まずはお前を屠ってやる。ナウマク・サンマンダ・ボダナン・バヤベイ・ソワカ」
風伯は、風天の真言を唱え、印を結び手に持っていた糸のような物を片側を握って王仁丸に向かって投げつけた。
すると、その物は、まるで暴風の渦となって王仁丸に襲い掛かってきた。
「よけきれねぇ」
王仁丸は、腕を十字に固め、巨体を小さく縮めて風伯の攻撃を受け止めた。
「ぐはぁ!!」
それでも、風伯の攻撃の衝撃は強く、なんとか王仁丸は踏みとどまったにすぐなかった。
「ホホホ。なるほど、頑丈だな、王仁丸。が、次の一撃で貴様を葬ってやろう」
風伯は、再び印を結び、真言を唱えようと構えた。
「アシュラ、いいか。俺が、走り出したらお前は、後ろからついてこい。あの野郎に強烈な一撃をくらわしてやれ」
王仁丸は、アシュラに振り向くことなく呟いた。
「でも、大丈夫なの?」
アシュラは、王仁丸の体に無数の傷跡を気にしていた。
「あぁ、大丈夫だ。俺を舐めるんじゃねぇ。いいな、行くぞ」
王仁丸は、腕を十字に組んだまま、風伯に向かって走り出した。
「無駄な事を。死ね、王仁丸」
風伯の手にしていた紫雲を王仁丸に向かって突き出した。そして、紫雲は、変幻自在な動きで王仁丸を切り裂き、とどめとばかり貫いた。
「この時を待っていたぜ。やれ、アシュラ」
紫雲に貫かれているのにも関わらず、王仁丸はにやりと微笑んで、後ろをついて来ていたアシュラに叫んだ。
「燃えちゃえ!!」
アシュラは、王仁丸を台にして飛び上がり、風伯に全てを燃やし尽くす炎の気をぶつけた。
「ぐぁああ。とどめの一撃を食らわしたのに、何故、貴様は平気なのだぁ」
火だるまになりながらも、風伯は、鬼の形相で王仁丸に叫んだ。
「ふん、貴様の攻撃など屁でもねぇ。めん玉、おっぴろげてよく見やがれ。
これぞ、俺の切り札、呪禁道・式神鎧玉だ」
王仁丸の周りには、式鬼と呼ばれる化け物達が、囲んでいた。それは、王仁丸が、その化け物達を纏っているような光景だった。
「き、貴様、式鬼共を・・・」
その光景に風伯は、驚愕した。
「消し炭になりやがれ」
王仁丸は、呪文を唱え、右手を力いっぱい握りしめた。
「呪禁道・天地二極拳・火雷」
王仁丸の気を込めた拳が、風伯の顔面を捕えた。
「ぎゃぁああああ!」
風伯は、火だるまになり、悲鳴を上げて吹っ飛んで行った。
「はっ、ざまぁみやがれ」
王仁丸は、口から血の混じった唾を吐い
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