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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
戦いの行き先
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電王がとった行動は違った。

電王は右足を踏み出し、地面を蹴る。
槍の先端は、背中ギリギリまで到達している。

そこまではいい。

左脚は地に付かず、右足はその全駆動力を駆使して身体を跳ねさせた。

確かにそうだ。
今、そいつはその通りの行動をとって、ファウストに掴みかかろうと飛び出して来た。



モモタロス、のみが




「んだと!?」

「逃がさねぇぞヤギ野郎!!」



ファウストの予想通りに動いていたのは、モモタロスのみだった。

電王の身体から飛び出し実体化した彼は、そのままの姿でファウストへと飛び掛かっていった。

当然、装備も何もないのでフルチャージもくそもない。
ただ飛び掛かり、ファウストの両肩を正面から鷲掴みにしてくる。


そして、本体の良太郎はというと。


彼が蹴った方向は前ではなく右だった。
ほんのわずかな右。
それにより、電王の身体が左に向けられる。

しかも、モモタロスが抜けた彼の姿は、一瞬にしてライナーフォームへと変わっていた。
これこそが、誰のものでもない「良太郎」の電王の姿。


そして、右手には刃を失ったデンガッシャーソード。
左手には、まだライダーパスを握っている。

彼の前を、左から右へと進んでいく刃。
本来ならば自身を、そしてこのままならば、モモタロスの背を貫くであろうものだ。


それに向かって、電王はデンガッシャーの柄を伸ばす。
向かっていく刃の尻の部分に向かってだ。


デンガッシャーという武器は、組み替えることで様々な武器へと姿を変える。
そして、その結合性は無類。

ならばできる。
例え敵の武器の一部でも、この一瞬くらいなら自分のフリーエネルギーで拾って見せる――――!!!


「バカなお前」

「は、あばよ!!」

モモタロスがファウストに掴みかかったのは一瞬。
彼の役割は、彼をその場にとどめることと、目隠しだ。


フッ、と実体化を解き半透明となったモモタロス。
そしてそれを抜けて、自分が差し向けた刃と、それに仕込まれたエネルギーと共に仮面ライダー電王が突っ込み


「がフッ!!」


エネルギーを纏った刃が、ファウストの身体を貫いた。


仮面ライダーファウストは、幾度かの戦闘を以って電王を超えていた。
だがしかし、自身の力で貫かれたとあっては、こうなることは自明の理。

さらに

《full charge》

「ハァッ!!」

「ぎっ」


電王のフルチャージもそれに乗っかる。
突き刺したデンガッシャーソードを横に向け、電王が右へと刃を振るう。

そのころにはソードの刃は復活し、中心から右へとファウストの腹
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