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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第68話<渡河作戦>
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反対側へ避難し始めているようだ」

「そうか、それであの警察や軍の人たちは、誘導とか何かで忙しいんだな」
私は納得した。

「逃げまショ。こっち、こっち」
あの運転手が顔を出して手招きする。

私は周りを見渡した。このままでは敵が撤退するまでは水上集落への攻撃は止まないだろう。

改めて軍人として『他国であっても何とかならないだろうか?』と思う。
しかし具体的な武力がなければ何も出来ない。

そのとき河の向こうから聞き覚えのあるエンジン音……振り返ると暗い川の向こうに見慣れたシルエットが現れる。
「二式大艇だ!」

夜の水面を、そのまま2発のエンジンだけでボートのように進んでくる二式大艇。

「離水しないのか」
「艦娘が居なくて、あの武装も威力を発揮できないのでは?」
提督と私が会話していると機体側面の銃座から川面(かわも)に向かって機銃掃射を始めた。

ふと見ると私の横で寛代が何かをぶつぶつ言っていた。

提督が反応した。
「弾着観測射撃か?」

「そうか大艇の中に居る相手は技術参謀か!」
私も思わず口走った。

その言葉に不思議そうな提督。私は直ぐに応えた。
「ケッコンしたとはいえ技術参謀も艦娘であることには変わりない」

「なるほど普通の人間が撃つよりは、はるかに効果があるわけだ」
彼は頷いた。

「しかし艦娘とはいえ自ら機体に乗って前線までくるのか?」
「凄まじいよ、あの人は」
私も苦笑した。

「あれに五月雨と吹雪、電も乗っている」
思い出したように寛代が言う。

「あ? そうなのか」
その間も二式大艇は渡河している金剛たちを援護しながら攻撃を継続している。

機体には電探があるらしく、水面の着弾地点からは次々と火の手が上がり敵が片っ端から撃破されていく。まさに、なぶり殺し状態だ。

「機銃掃射っていうのは、あまり気分の良い光景ではないな」
弓ヶ浜で敵機に襲われたときのことを思い出した私は言った。

「戦場が好きな奴はいないよ」
提督は吐き捨てるように言った。

とりあえず大艇が援護していれば、かなり心強い。
(だが、大丈夫か?)

二式大艇を持ち出したのは良いが、あまり水上で長居して、あの機体を壊されたら日本に帰れなくなるぞ。

だが受電したらしい寛代が言った。
「無事に渡りきった」

「そうか」
私たちは安堵した。

やがて二式大艇は、いったん機銃掃射を中断して離陸体制に入った。

だがそのときだった。
「魚雷!」

寛代が叫ぶと同時に暗い水面を白い航跡が大艇目指して進んでいく。

「2本……いや、もっとあるぞ!」
大艇も気付いたのか慌てている気配だ。

「早く逃げろ!」
思わず叫んだ。


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