閑話4 ヒカルノと太郎(表面)【中編】
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避けたかった。
それゆえの、今回の行動である。
え、それなら社会人つれてきた方が早いって?
確かにそうだ。
だが、そういった優秀な科学者達は会社や大学等の研究機関に所属しており、太郎達のように伝もない未成年三人に『個人的に』着いてきてくれる優秀な人など、まあ、殆どいない。
例え束が世界的に有名になろうとも、組織の利益度外視して研究しよう、は通らないのである。
仮にいても、湾曲的に表現して、性格に難がある三人に許容される人間なんぞいないが。
そう考えた太郎は、発想を変えた。
三人に許容される『完成した』科学者を雇うのが困難なら、太郎が個人的に『科学者の卵』を雇い、育てる形にすれば良いと。
扱っているメインの技術、『IS』については、完全に新機軸な代物で、簡単に既存の技術に転用出来ない欠点がある。
だが、それは裏を返せば、若い内から優秀な科学者の卵を育てていけば、いずれ今は存在しない、『IS』専門の研究者を作ることができる、ということでもあった。
そのため、彼は事前に学校側に『こう』頼んだ。
自分の助手『見習い』という形で、利発な女性を探しているのですが、優秀な方に心当たりはありますか?と。
ちなみに、女性に絞ったのは完全に太郎の趣味である。
学校側としては大歓喜であった。
なんせ、学校の評判を高めるであろう優秀な人間を、太郎自ら育ててくれるといってくれたのだ。
学校側は喜び勇んで、多くの生徒の情報を(秘密裏)に流した。
そこで、総合的な優秀さが五指に入り、容姿が太郎のストライクゾーンに入っていた女性、それがヒカルノであった。
話を、現在に戻そう。
その情報を得た太郎は、とりあえず出会いを演出することにした。
最初に生徒会に行き、太郎はこの学校が生徒会を中心とした権力構造であると把握。
同時に顔の広い人間と顔をつないだ。
これで、何かしら情報を得たいときに、生徒会を頼れる。
また、その時に自分が『生徒会の味方』だとアピールするため、困っている事の相談に乗ると申し出る。
そして、そこから自身に都合の良い事案を抜き出して手伝う。
そういった過程を幾度か繰り返し、太郎はヒカルノと関われる案件を発見、そしてそれを自身で解決すると言って、引き受けた。
今回のパソコン部の大立ち回りは、そうやって起こしたのである。
閑話休題。
(まあ、変に石頭だったりするよりは数段ましだが…………)
自分の(児戯レベルではあるが)人身掌握術を流したヒカルノを太郎は気に入ったことは確かだが、その余りの破天荒さに辟易もしていた。
広いカラオケルームで(勝手に膝の上に頭を乗せている)ヒカルノの額に無意識に手を乗せながら、
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