暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
「わたしの部屋……なにもありません」
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いな。キリトよ、ユイちゃんはどうなんだ?」

「ああ、ユイに聞いてみるか。プレミア、いいか?」

「はい。問題ありません。それと、ごちそうさまでした」

 不幸なことに、そんなプレミアの悩みには目の前の二人は力になれそうになく。やはり頼りになるのはAI仲間という訳ではありませんが、プレミアが朝ごはんを食べ終わっている間に、キリトがユイを呼んでくれました。記憶のないプレミアにはもちろん分かりませんが、『おねえちゃん』がいたらユイのような存在のことをいうのでしょう。

「その前に。装備は戻しといた方が、話が早いんじゃねぇか?」

「確かに、気合いはたまりました。つまり、もう戦闘服でなくても構いません」

「いや、そういうことじゃ……まあいい。ユイ、起きてるか?」

「……はい、パパ。おはようございます」

 エギルの言葉に納得したプレミアが装甲を取り除いて、いつもの服装に戻るとともに、中空に妖精姿のユイが現れます。空中を自由自在に飛び回るその姿をプレミアはむしろ羨ましがっていましたが、ユイはあまり小さい妖精の姿を妹分には見られたくないらしく、プレミアの姿を見た途端に人間の姿に戻ります。それでも背丈は、プレミアとあまり変わらないのですが。

「おはようございます、皆さん。それにしても、今日はお早いんですね、パパ」

「あ、ああ……まあな」

「……もしかして、また徹夜でレア掘りに行ってたんですか? 約束したじゃないですか、あんまり徹夜ではやらないって!」

「確かにキリトは『てつやあけ』だそうですが、掘る……というと、噂に聞く『たいむかぷせる』という……」

「そ、そんなことより! ユイ、プレミアが相談があるらしいんだ」

「プレミアがですか?」

「はい。実は」

 徹夜明けから娘の説教とプレミアの謎知識に場をかき乱される前に、キリトは幸いにも話を流すことに成功した。事態を見守っていたエギルが、ユイのためのミルクをサービスで取り出すとともに、プレミアは今の悩みをユイにも相談します。もちろん自分が空っぽだということは秘密に、ただ、部屋に何もないことが気になるというだけで。

「なるほど……プレミアはまだ私物も少ないし、自分の部屋を貰ったのも最近ですからね」

「ユイの部屋を、参考に見せてあげればいいんじゃないか?」

「だ、ダメです! パパにはデリカシーが足りません!」

「わ、悪い……」

「そもそも飾る私物が無いんなら、ちょっと見てきたらどうだ?」

 名案とばかりに放ったキリトの言葉は、他ならぬ娘の手に……口によって即座に却下されました。代わりと言ってはなんですが、店の準備を終わらせたエギルが、何やらパンフレットを持ってきていました。隣同士に座るプレミアとユイに渡されたそ
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