暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーディロード〜MASKED RIDER DELOAD〜
序章〜全ての始まり、守護者の刃〜
第3章 激闘!ディエンド編
夜の断章 流夜のビギンズナイト
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俺は何時も兄貴に負けていた。当たり前だ。兄貴は次期当主として、凪風流の師範として他の門下生よりも優遇されていたからな。俺が知らない技も沢山身につけていた。だから俺は勉強した。兄貴達が身につけることが出来ない、歴代の当主達が残した人を殺める凪風、通称闇風式を。当然、それを堂々と練習するわけにはいかない。普段は通常の稽古をし、夜寝る前に闇風の練習をした。途中、
親父
(
クソ
)
にバレそうになったが、なんとか誤魔化せていた。もちろん、ただ技を練習しただけじゃない。闇風が何故そう呼ばれるようになったのか、何が禁であったのか、書物と実際の動作で勉強した。そうして俺は解った。闇風式は、確かに人を殺める可能性がある。だが、それは使用者の技量に問題があるだけだ。よく読めば、凪絶つ風だって、天馬穿突を派生させて生み出された技。一歩間違えば奥義だって禁じ手だ。それを知って安心した俺は、殺さない闇風を究めた。大体、闇風を練習し始めてから半年くらい経ったある日、俺は兄貴と親父にある賭けを持ち込んだ。俺が兄貴に勝てば、俺に凪風の当主の座を譲れと。親父は了解し、翌日運命を決めることになった。
確かに運命は変わった。悪い方向に。
俺と兄貴は互角の勝負をしていた。だが、兄貴は軽く避けているようにも見えた。だから使った。避ける手立ての無い土地破壊の荒技、白虎咆吼を。けど、
「そこまで!この勝負、凪風流の掟に従い、雅の勝ちとする!」
どうしてだ!俺は確かに闇風式を使った。けど兄貴を殺さないように力を変えていた。
「流夜、人を傷つけなければ何をしてもいいわけでは無い。この畳を見てみろ。お前が討った技で隆起しているだろう。この畳を貼り替えないと稽古は出来ない。凪風流は、人だけではなく、その土地も守るためにあるのだ。」
だけど、俺はお前達に出来ない闇風をマスターしたんだ!凪風も、闇風もマスターした俺にこそ、当主の名前は相応しい。間違っているの!?
「人を守ることを忘れ、土地を穿ち、名誉に溺れるお前は、もはや凪風ではない。破門だ。もう二度と、凪風を操るな。いいな!」
親父は俺に言い、兄貴と門下生を連れて出て行く。
そのことをきっかけに、家族の態度も変わった。
母
(
カス
)
は俺と距離を置くようになり、望実はこれ見よがしに兄貴にくっつき、親父は普通の家族のように接するだけになった。そんな中で兄貴だけが変わらない態度だった。俺はそれが余計気にくわなかった。そんなに凪風流次期当主は偉いんかよ!だったら、俺はそれの上を行く。俺は死に物狂いで様々なものを調べた。そして見つけた。『新月の悪魔』っていう都市伝説。これなら、俺の欲しいもの全てが手に入る。俺は早速準備をした。運がいいことに今日は新月。俺は悪魔を召喚した。
「私は新生魔族のアトラック・ナクア。ぼくは何をお望み?」
決まっている。力と名誉だ!
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