12製鉄実験
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見学者や労働力が追加され、山から燃料の伐採が続けられる。
「まだ銑鉄は作れぬが、焼き固めただけのインゴットならできる。取れる量が少ないがな」
通常の薪で焼いた窯など、精々千度になれば効率が良い方で、レンガ作成窯で800度、素焼きの陶器作成用の窯で1100度出せれば良い方で、とても鉄の融点1500度には達しない。
それでは何故古代に鉄器が作られたかというと、溶かすまではいかないでも、長時間の過熱により焼き固めたり、鞴に鑪で1400度程度の融解点には達して鉄のインゴットを作成できたからである。
数時間焼き固めて、ほんの数キロ程度の鉄。それには登り窯の温度でも不足して、空気の供給、ふいごによる酸素供給も不可欠であった。
1世紀から3世紀頃に伝来した鈩製鉄の始まりであった。
「火を入れろっ、鉄を取り出すのじゃ」
「へいっ」
砂鉄、磁鉄鉱をテルミット反応させて、脱酸素してFe結晶を作成する。
テルミット反応させるにはアルミニウムが必要だが、木炭で代用して脱酸素する。
塊を作る事までは可能なので、再加熱させて炭化、焼き入れ、鍛造の工程で工具と鉄器、鉄剣が作成できる。
鋸や鑢が無ければ金属加工は出来ないし、青銅器では硬度や重量、融点が違う。
アルミニウム作成には電気分解や大電力が必要なので、この時代にはまず不可能。
他で記したように、A1以上の恒星の核融合で、最終的にできるのが鉄原子である。
これ以上の核融合反応は不可能で、超新星爆発した時や、ブラックホールやクエーサーから発射される、特殊なジェットの中でなければ鉄以上の原子は出来ない。
逆に鉄までの核融合は可能なので、比較的入手しやすい金属も鉄である。
「燃やせ、燃やすのだっ、高天原の渡来人も、この炎で焼き尽くしてやれっ」
既に悪鬼羅刹と化したヨツハ様。
この里を重金属で満たし、川の下流も重金属で汚染して中毒で死なせる事になっても、全く気にしていない。
過去に金アマルガム抽出方で、奈良の大仏に貼る金箔が作られた時も、下流住民は水銀中毒で死んだ。
青銅を抽出するためにも、あらゆる重金属が垂れ流されて汚染され、下流住民が鉛中毒、重金属中毒から来る数々の難病奇病で苦しめられ、果ては死亡した。
一切衆生を救うはずの大仏が住民を苦しめて、命まで奪ったのは冗談でしかないが、ある意味苦しいだけのこの世界から、大仏が天上の世界に地域住民を導いたのかも知れない。
「鉄砲で、尾栓がある後装式スプリングフィールド銃で、ライフリングがあるミニエ銃で、お前たちをこの世から消し去って滅亡させてやるっ」
高炉も銑鉄も無い、戦国時代程度の文明で火縄銃が作れたのも、鉄板をを金属棒に巻き付け、パイプを製作して
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