06.そうだ、刑務所に逝こう。
第23話
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てやるってお願いされたので、取り敢えず其のままに為てあげましたけど?」
「良かったね、主。漸く願いが叶いそうだね」
「……そしたら、ラルとグレースの願いも叶えないとじゃん」
私は、ラルとグレースと共に、フランさん達が色々考えている横で話を為ていた。
「別に大丈夫ですよ。僕の願いが叶う事なんて、絶対に有り得ませんからね」
「僕の願いだって、叶う訳無いから。だから、主が幸せになってくれれば、僕は如何でも良いんだ」
「でも、さ………」
ラルは、本当は吸血鬼。だけど、ラルは吸血鬼の力が無かった。当然の様に、忌み子として扱われ、人間の街で逃げていたところで出会った。其れが私とラルの始まり。
彼の願いは、吸血鬼として認められること。だが、其れは私が其れを認めたとしても意味は無い。同じ吸血鬼で、更に身分の高い吸血鬼に認められなければ彼の願いは叶わないのだ。
グレースは、人間。だけど、他人の能力を奪う悪魔と言われ、そして嫌われた。捨てられた。そして、逃げていたところで出会い、私とグレースの始まりとなった。
彼の願いは、能力を捨てること。だが、其れは私が能力を消そうとしても、彼の能力は消え無かった。彼の能力を具体化することも出来なかった。
だけど、願いが叶わない限り、私達は死ぬことは出来ない。
願いが叶うまで、無限の時間と、世界を只管彷徨い、壊し続ける。
其れが時の旅人。
「あ、そうだ。僕達は仕事ではクールで、格好良くて、憧れの的だけど、普段はお巫山戯が大好きで、何処か馬鹿な首領ではなく、本当は仕事でも普段でも、僕達が大好きで、甘えん坊で、寂しがり屋で、泣き虫な首領を知っていますからね」
「そそ。僕達が大好きで、甘えん坊で、寂しがり屋で、泣き虫で、可愛くて、頭が良くて、体型は僕のタイプド直球で、優しい主、僕大好きだよ」
「僕もです」
「告白みたいなことをされているはずなのに、その前に言ってることが気になりすぎてそっちまで気が回らないんだけど? 甘えん坊? 寂しがり屋? 泣き虫? そんな訳ないでしょ………う…………」
急にグレースが腕を伸ばしてきたと思ったら、私の頭の上に手を乗せて、優しく撫でてくる。
「ほら、矢っ張り。主は甘えん坊で、寂しがり屋で、泣き虫だ」
頬に温かいものが垂れてくる。
あれ、泣いてる?
「あれ……如何為て……?」
「僕達は、首領を理解する事が出来る、此の世にたった二人しか居ない人ですから。首領の事なんて、全て分かりますよ」
「………恋愛とか、キョーミ無いし」
「ほほう? 僕達は恋愛の対象外ですかぁ」
「当たり前でしょ! ………どっちかなんて、選べないし」
「「二股ですか」」
「違う! ………って、
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