第9話 出鱈目vsデタラメ
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空と白が魔法を削り切る事を意図した決戦を仕掛けるなら────こちらは魔法が削られるより先に『 』を仕留める決戦を仕掛けるまで。
空と白の乱射を防御魔法で受け止め、銃を構える。そのままシグは二人に迫り────一発、二発、そして三発と、発砲音を響かせた。
────『 』に近づく事にさしたる意味は無い。ただ接近戦を警戒させる、それ以上の意味は無い。そして、接近戦を警戒した『 』に魔法による出鱈目軌道の弾丸を撃ち込むのが狙いだが────『 』とてその狙いが分からないはずがない。そもそも接近戦だろうと魔法の補助を受けた弾丸だろうととる行動は回避一択で惑わせる意味さえ少ない。だが────
シグはそこで思考を切って、引き金を引いた。銃口から吐き出された弾丸は、やはり異常な軌道を描いて『 』に迫る。
だが────その途中で弾丸が止まり、そして落下した。
「────ようやくMP切らしたみてえだな」
空と白は、勝ちを確信した笑みを浮かべ────シグに銃口を向けた。
────その時だった。
魔法によって再加速した弾が、白に着弾した。
削り切ったはずの魔法、だがシグはそれを再使用して白を一瞬の内に脱落させた。そして、即座に銃口を空へと向ける。
「────ッ」
だが、そこでシグが目にしたのは────冷静に銃口をこちらに向ける、空の姿だった。
「ここまで計算済みだよシグ────お前が三発しか弾を撃たなかった時点でな」
空はつまらないギャグを聞かされたかのような表情で、そう言った。
そう、シグが行った《《油断させた後に仕留める策》》────これは仕留める事が目的なら、絶対に六発撃たなければ効果がないのだ。『 』を削り切るには6発の弾丸が必要で、不意をついて勝つのが目的なら必ず6発撃つハズなのだ。だがそれをしなかった────いや、出来なかったという事は、その一手はミスリードだ。
「まだ魔法が使える」と思わせる為の────ミスリード。
だが、六発の弾丸を操作するだけの余力が残っていなかったからこそ、この策をシグは実行した。だからこそ、3発で白を脱落させそれに動揺した空を狙おうと近づいた。つまり?────もうシグに、魔法という手札は無い。
「────いかにエアガンだろうが、この距離じゃ不可避だ。俺らの勝ちだよ────シグ」
空が言葉と同時に弾丸を放つ。吐き出された弾丸は────遂に、シ
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