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人類種の天敵が一年戦争に介入しました
第9話
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だったので、マ・クベの呟きが野良犬に聞こえたのだ。

「ミノフスキー粒子は我が軍の使用するチャフの一種だ。どうやら付近に散布し過ぎたらしい」
「……チャフの撒きすぎで位置がバレたと」

 12メートルの樽が18メートルの巨人を見上げる。樽はもちろん、野良犬も何も言わなかったが、樽の反り具合は見上げながらも見下しているようでもあり、馬鹿じゃねーの、という野良犬の気持ちを隠すことなく垂れ流していた。
 ちなみに、ミノフスキー粒子を過剰散布したのは急速接近する野良犬の乗ったARGYROSをミサイルと誤認したからである。地味に野良犬のせいでもあった。

「……とにかく、だ。野良犬、続きは次の機会にさせてもらおう。全機、撤収を開始せよ」

 輸送車が一斉に旋回し、18メートルの巨人が地響きを立てて移動を開始するが、すぐさまそれを止めたのは12メートルの樽だった。止めたと言っても、進路に立ち塞がったというわけではない。ただ一言発しただけである。

「まあまあ、司令官殿。せっかく向こうが来てくれるんだから、ここは派手にもてなしてあげるのが礼儀ってもんじゃない?」


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