13話:謁見と内々の話
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るけど、誰にどんな瓶に詰めて、いくらで売るのかまで兄貴に差配してほしいんだ。その代わり利益配分は売上を折半でお願いしたいと思ってる。
俺は領地に戻るし、父上と頻繁に会うのは兄貴が派閥を作ろうとしているように見えるから危険だし、堅物と腹黒は商売についての知識は無いから、なら全部兄貴にお願いしたほうが手間が少ないと思うんだけどどうだろう?」
「うーむ。後ろ盾と差配を引き受けたとはいえそこまで私に任せてしまって良いのか?」
なんか兄貴はビックリしているが、これはお互いにとっていい話なのだ。
「兄貴のおかげでレオは御用達って裏書付きで世に出る事が出来たし、狙いたいのは高価格帯での販売だからさ、レオを飲んだことがないのは半人前だとか、レオを置いてない店は潜りだみたいな認識にしたいんだよ。
俺の知っている人の中で、それが出来そうなのは兄貴だけだし、どうせ門閥貴族も欲しがるでしょ?今まで兄貴に調子に乗っていた分を含めて、しっかり踏んだ食って欲しいんだよね。領地に戻ったら量産体制を整えるけど、レオは長期熟成もできるから、無理に量をさばく必要はないしさ。」
「そこまで当てにされては断ることはできぬな。」
兄貴は叔父貴に笑顔で視線を向けながら引き受けてくれた。これで本来予定していた用事は完了だ。
「ザイ坊よ。話は2つと言っておったな。レオの件は予想しておったがもう一つは何かな?」
「うん。今日の謁見で、陛下から褒美として弱いからもう少し望みはないかっていわれてさ。噂に聞いた位なんだけど、捕虜になったり戦死した兵士の家族が農奴になってるらしくて、そこへのご配慮と、捕虜たちも叛徒に囚われてた訳だから身体を休める期間も必要だろうからご恩情を願い出たんだよ。」
「うむ。お主は本当に無欲じゃなあ。」
兄貴は嬉しそうにうなずきながらグラスを傾けている。
俺はお酌をしながら続けた。
「兄貴、言葉を選ばずに言うと、兄貴の周りが強欲すぎるんだよ。で、心配なのがこの強欲な方々なんだよね。勅命に表立っては逆らわないと思うけど、書類をごまかして農奴を解放しなかったり、一時金をかすめ取ったり。そういうことをすると予想してるんだ。
だからその辺の進捗を監視してもらえないかな?兄貴と叔父貴ならその辺の伝手もあるだろうし。」
兄貴と叔父貴は少し目を合わせて何か確認しているようだったが、しばらくすると
「ザイ坊よ、勅命がきちんと果たされれば良いが、ごまかしたり逆らったりした者が出た場合はどうするつもりじゃ?」
「その辺りは、陛下のご判断じゃないのかなあ。一番やりそうなのは、派閥を作って好き勝手してる連中だろうしね。」
そこまで言うと、今まで黙っていた叔父貴が話し始めた。
「ザイ坊よ、殿下が後ろ盾になられるにあたって
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