第一章
第4話 一日目の終わり
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ないだろうか?
こちらに積んである手ぬぐいを重ねて、下に敷いてあげることもできる。
そのほうが良いのかどうか。言うか言うまいか迷った。
言葉が通じるようになってしまったせいで、以前よりも気を遣わないといけない感じはあるのだが。
どこまで構えばよいのかという線引きがイマイチわからない。難しい。
「……クロ」
「なんだ」
起きていた。
いや、もしかして起こしてしまったのだろうか? もしそうなら余計なことをしてしまったかもしれない。
「そこ、下が硬いんじゃないのか。何か敷こうか?」
「大丈夫だ」
「そうか。もしも今ので起こしてしまったのなら悪かったな」
「気にしているのか」
「まあね」
「顎を付けているときは深く寝てはいない。気にする必要はない」
驚いた。少し長めのコメントが来た。
おそらく今までで最長だと思う。
――これはひょっとして。
毎日会話を重ねていけば、もっと複雑な話も出来るようになったり?
今は中途半端にしか会話できないレベルなので、正直少し疲れる。もっと円滑に会話できるようになれば、こちらも楽だ。
頭の中にそんな考えを巡らせていると、そのクロがピンと耳を立てた。
「あの人間が来た」
「ん? あの人間? ああ、カイルかな?」
食器を回収しに来たようだ。
俺には足音なんて全然聞こえなかった。凄い聴力だ。さすが犬。
「…………」
「メシうまかったぞ。ごちそうさま」
「わっ! 何だ、兄ちゃん起きてたのか」
「ああ。全然眠くならないんでな」
「そうなの? 調子が悪くて眠れないとかじゃないんだね?」
「大丈夫だよ。心配してくれてどうも」
「へへへ」
暗さに目が慣れたので、わかる。彼は上が半袖の服、下はダボダボのハーフパンツ。かなりラフな格好をしていた。夜警の当番交代から、着替えてこちらに来たという感じだ。
さすがにもう女医は寝ていると思うが、彼は合い鍵も持っていたのだろう。
「お前、孤児院の職員だったのか」
「そうだけど。何で知ってるの? お医者さんから聞いたの?」
「ああ。十三歳で働いているとはな。ビックリだ」
「別に十代で働くのはおかしな話じゃないと思うよ? まあ、オレは他の人よりちょっと早めなのかもしれないけどさ。何か仕事しないとメシ食えないし困るじゃん。あ、兄ちゃんは宇宙人だからこっちとは違うのかな?」
「だから宇宙人じゃないっての」
「冗談冗談。兄ちゃんの国では何歳から働くのが普通なの?」
「うーん。二十二歳とか二十三歳から働き始める人が多いんじゃないかな。俺は二十二歳でまだ働いてない」
少年が驚きの表情を見せた。
「え? そんなに遅いんだ。兄ちゃん
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