第２話 第五次イゼルローン要塞攻防戦
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＜アドルフ＞
俺はアドルフ・フォン・ハプスブルク。
ニートに近づいたと思ったら、何故か遠ざかってしまった可哀想な少年だ。
軍幼年学校卒業以後、退役軍人から色々と手解きを受けていたわけだが、すったもんだの挙句、実際に艦隊を率いてイゼルローンへ向かうことになった。
あれだけ「俺は嫌だ。部屋でネトゲしている」と拒否ってたのに……。
大貴族ハプスブルク公爵家の現当主だからなのか、階級はいきなり准将！！
さすが門閥貴族の力だ！！
ん……あれ？
ブラウンシュバイク公とかは特に何もしてないのに上級大将だったような……。
…………
まあいい、気にしたら負けだ。
いきなり将官なのだから満足しとくべきだろう。
率いる艦艇は約２０００隻―――普通准将は数百隻が精々のはず。
旗艦はヴァルトブルク。
ラインハルトのタンホイザーと同型である帝国軍標準戦艦だ。
これは嫌がらせか？ 艦名が。
しかも参謀にフォーゲル大佐とエルラッハ中佐とか……何者かの悪意を感じるな。
ん〜、でもやっぱり２０００隻って少なくね？
俺一応公爵だし、ハプスブルク領の私設艦隊だけで５００００隻は有るんだが……。
・・・・・
そんなこんなで、遥々イゼルローン要塞にやって来て約１ヶ月。
遂に俺の初陣がきた。
同盟軍の５度目のイゼルローン要塞来襲。
つまり第五次イゼルローン要塞攻防戦……ん？
５度目……５度目だと！？
同盟軍の並行追撃作戦に味方ごと撃つやつじゃねぇか！！
えっ？ マジで！？
早速死亡フラグじゃん！！
めっちゃ参加したくないんですけど。
腹が痛いって言って帰れないかな……無理か。
仕方ない、後方の端っこにいてやばくなったら逃げよう。
ま、叫ぶ言葉は「緊急回避ー！！」だろうがな。
そうだ、要塞司令官のクライストと駐留艦隊司令官のヴァルテンベルクに並行追撃のことをそれとなく指摘してやればいいんだ！！
幸い俺は大貴族、面会は問題ないだろう。
流石俺、ピンチの時に頭が回るぜ！
そうと決まれば早速行動に移さねば、善は急げだ。
・・・・・
………失敗した。
見事なまでに失敗した。
両方とも「考慮しておく」とか言ってたが、これは全然考慮する気ないな。
あいつら死ねばいいのに。
さて、どうしたものか……。
＊ ＊ ＊
宇宙暦７９２年/帝国暦４８３年５月。
第五次イゼルローン攻防戦が幕を開けた。
同盟軍は艦艇約５００００隻、帝国軍は艦艇約１５０００隻………オイ！
帝国軍原作より２０００隻ほど多くね？
……ああ、俺の艦艇分か。
そう言えば俺ってイレギュラーだったな。
とは言っても、帝国軍の艦艇が原作より２０００隻程度増えたところで３
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