第2話 第五次イゼルローン要塞攻防戦
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倍を超える戦力差は覆しようもないんだよな。
帝国軍の後退は時間の問題だろう。
「敵、来ます!」
ちっ、こっちに来やがったか。
「敵をこちらに近づけさせるな、ファイエル」
俺の艦隊は敵と距離を取りながら長距離砲戦に終始する。
生憎、優勢な敵とまともに殴り合う趣味は無いんでね。
幼年学校とか退役軍人達の手解きで多少はたくましくなったと思うが、俺の本質はヘタレなのだよ。
・・・・・
艦艇数で圧倒的に上回る同盟軍は帝国軍を押し始め、俺のところにも敵艦が殺到してくる。
うん、不味いね。
このままじゃデスってしまうz。
「後退しつつ敵の先頭に砲火を集中しろ! 敵を全て叩こうと考えるな、先端の敵から順に潰していけばいいんだ」
俺はヤンの戦法をパクって敵艦に対処するが、このまま行けば原作通り同盟軍による並行追撃作戦が行われ、焦ったクソ虫が味方ごとトールハンマーで薙ぎ払うだろう。
だが、今の俺に出来るのは艦隊を最左翼にもっていくことだけだ。
「トールハンマーが!!」
オペレーターが慌てた声で叫ぶ。
来たか!!
「全艦、急速回避〜!!」
直後、光が宙を駆け抜ける。
自軍・敵軍関係なく何千何万という艦が一瞬にして消失した。
あっ、危ね〜(汗)。
俺の艦隊は……全艦無事か。
自分の身が一番大切とはいえ、無事な艦が多いにこしたことはないからな。
それにしても……酷い状態だ。
俺の警告をちゃんと聞いてればここまでの事態にならずに済んだものを。
ちくしょ〜、あのゴミ共め。
せっかく並行追撃を教えてやったというのに、このザマかよ。
帰ったらハプスブルクの名を使って死刑にしてやる!!
ぜったいだぞ!
俺を殺しかけた罪は宇宙より重いんだ。
名門の家の力を見せてやる!
覚悟しておけよ!
* * *
あれ?
なんか少将に昇進したお。
後ろの方から撃ってただけなのに。
あれか、昇進させてやるから並行追撃作戦について指摘したの黙っとけってことか?
……まったく、大人のやることって汚いよね。
まあ、くれるってんなら貰っとくけどさ。
え?
あのゴミ共死刑に出来ないの?
なんでさ?
…………
まあいいか、どうせ閑職行きでもう表舞台には出て来ないだろ。
つーか出てくんな。
出てきたら今度こそぶっ潰してやる。
昇進して給料も上がったし、領地経営は順調で税収は右肩上がりだ。
が、俺の野望(ニート&ハーレム)の完成にはまだまだ遠い。
いつになったら達成できるのやら………。
今回はなんか精神的に疲れた。
家に帰ったらメイドでも抱こう。
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