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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十四話 貸し借りなんて些細な事、です。
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ける。

「メックリンガー、ルッツ、ワーレン、ミュラー、ケンプ、アイゼナッハ、フロイレイン・バーバラ、エーバルトがいる。(ちょっと、私も忘れないで下さいよ!とルグニカ・ウェーゼルが声を上げた。)」
「・・・・・・・・。」
「後方にはケスラー、レンネンカンプ、そしてフロイレイン・ヴァリエらが盤石の体制で守備し、俺達の凱旋を待っている。」
「・・・・・・・・。」
「そして、俺たちの後ろにはローエングラム公、キルヒアイス提督、そして卿の師であるフロイレイン・イルーナが控えている。卿は独りではない。違うか?」
「・・・・・・・・。」
「そして、卿の傍らには親友が控えているではないか。」

 促されて顔を上げたフィオーナが見ると、親友が自分の顔を見ながらうなずいて見せる姿が目に映った。

「今回ロイエンタール提督も、ミッターマイヤー提督も側にいないが、及ばずながら俺、そしてワーレンが側にいる。卿の双肩に責務があるとはいえ、決して卿を一人にはしないつもりだ。」
「俺もだ。卿一人に負担はかけさせん。何しろ女性ばかり前線に立たせて男が後方でのんびり膝を組んで待機などと亡き妻が知れば俺をヴァルハラで叱りつけるだろう。」

 ルッツ、そしてワーレンが後を引き取る。

「俺は卿の仲間を殺した。」

 バイエルン候エーバルトが静かに言う。

「そのことはどうしようもない事実だ。卿が俺を正面切って恨んでくれたらと何度思ったかもしれない。だが、卿はそうしなかった。一度は命を失ったと覚悟したこの命は他ならぬ卿の仲間に生かされているのだと思うようになった。償いとは言わないが、できうる限り卿の力になろう。」
「卿は独りではない。今はそれがわからなくとも、いずれわかるときがくる。そのことを覚えておいてほしい。」

 年長者のレンネンカンプがそう言った。フィオーナは灰色の瞳で一座を見まわした。どの顔も自分を見つめ返し、片時もそらすことがない。

「皆さん・・・・・。私は・・・・・。」

 灰色の瞳を揺らめかせながら、それ以上どういったらわからなくなったフィオーナはやっとのことでこう言った。

「正直不安です。どうしようもなく・・・不安で、押しつぶされそうになっています。今も・・・・。でも・・・・・。本当であれば私ではなく、艦隊の総指揮を取るのは皆さんのはずでした。それをこうして励ましてくださったこと、本当に、皆さんの器が私よりも大きいことの証拠です。・・・・本当に・・・ありがとうございます。」

 だが、諸提督たちはまだ彼女の顔色が優れない事を見抜いていた。とはいえ、宴の最初のころと比べると幾分かその表情に明るさが戻ってきたのは事実である。

「ルッツ、ワーレン、エーバルト、卿らにはフロイレインらの補佐役をしかと頼みたい。」

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