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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第42話 目覚める悪魔!イッセーVSグルメ細胞
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心してイリナを預けられますが……どうしようか」
「イリナ、貴方はどうしたいの?」
「ふえっ?」
母親から急に話を振られたイリナは思わず思考を停止してしまった。このまま泣いていればこの町に残れると思っていた、だがもしイッセーといる事を選べば両親とは離れ離れになってしまう。
イリナとてまだ幼い子供だ、両親と離れるのには抵抗があるだろう。どちらか一方を選べばどちらかとは会えなくなるという選択肢にイリナは選べないでいた。
「えっと、ボクは……その……」
「……」
そんなイリナを見ていたイッセーは、イリナから離れて自分の家に戻り机からペンダントを取り出した。それはイリナと二人で撮った写真を入れた彼の宝物だった。
「イリナ、これを上げる」
「これは……イッセーの宝物じゃないか」
「うん、前に二人で撮った写真を入れたペンダント。これがあればイリナも寂しくないと思ったんだ」
「イッセー……それってボクにここからいなくなってほしいって言ってるの?」
「違うよ、僕だってイリナと離れたくないもん。でもイリナもお父さんとお母さんと離れ離れになるのは嫌でしょ?だから約束しよう、これをいつか僕に返しに来て。そしたら僕、イリナのお嫁さんになってあげるよ」
「イッセー……」
イッセーからペンダントを受け取ったイリナは、それを胸の前で両手で包み込むように握る。先ほどまで涙で濡れていた顔に、今は満面の笑みが浮かんでいた。
「あら……」
「ほう、イッセーがイリナちゃんのお嫁さんになるのか。それはいいかもしれないな」
「微笑ましいわね」
「ははは、イッセー君だったらイリナを任せられるな」
それを見ていた二人の両親は、微笑ましい物を見る暖かい眼差しを二人に送っていた。
「……イッセー、大好きっ!!」
「んぐっ!?」
イリナは感極まったのか、イッセーに抱き着くと自身の小さな唇をイッセーの唇と重ねた。一瞬しか触れ合わなかったが、二人からすれば途方もない程の時間が過ぎたように感じた。
「イッセー、絶対にボクは帰ってくるよ。だから他の人を好きになっちゃ駄目なんだからね!」
「う、うん。僕はイリナ以外の人を好きになったりしないよ(はわわ、男の子同士でチューしちゃった!でもイリナならいいかな……)」
イリナとしては好きな男の子とチューできたと内心喜んでいるが、イッセーはズレた考えをしていた。
「またね、イッセー!」
「うん、またね。イリナ」
こうしてイッセーとイリナは再び会う約束をして離れ離れになった。だが1年もしないうちにイリナはイッセーが行方不明になるという残酷な現実を知らされることになるとは、この時誰も知らなかった。
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