第36話 日英共同宣言とアイドル提督の復活 ターン32.5
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る提督がいない。
第七艦隊の後任さえ決まらぬ状態だ」
「私なら彼女を推薦しますが?」
「……ふむ。しかし、彼女は精神状態がよくないようだが?」
「大丈夫です。なぜなら、優秀なプロデューサーが戻ってきましたから」
――――惑星日本首都――――
ゲッベルスは伏見と別れ一足先にアドルフに会うため帝都を訪れていた。
「な、なんてこと……アイドルが外でしちゃいけない格好よ」
アドルフは風爽やかな晴天のもとデートの真っ最中だった。
その格好はメガネにジャージという芋っぽい姿だ。
その隣に並ぶのはデート中でも木刀を肌身離さず持ち歩く田中雷蔵少将。
「あの……すいません、宣伝相。私の力が及ばず申し訳ありません」
合流してから再三に渡ってゲッベルスに謝罪するデーニッツ。
彼女は気落ちしたままのアドルフを励ますことができず凹んでいた。
「あ、あのぉ……デーニッツ提督も総統閣下を元気づけようと努力されまして――」
アドルフの亡命に付き添ったケッテンクラート少佐が必死にフォローしながら経緯を話す。
「それで長官のトーゴーに相談したら、ボーイフレンドを紹介するって話になった訳?」
「ナイン。田中提督は以前から総統にちょっかいをかけていました」
「ヤー。東郷長官は自らが立候補したい様子でした」
「ねえ、ふたりとも念の為に確認するけど、
目つきの悪い木刀を持った提督やロンドンで変態行為を指摘された破廉恥エロ長官が、
レーティアの相手として釣り合うと思う?」
「「絶対にありえません!!」」
「よろしい。だったらフライデーされる前に連れ出すわよ。
少し見守ってたけど、たいした進展もなし……さて排除しましょう」
「「……こくり」」
敏腕Pの言葉にデーニッツとケッテンクラートは無言で頷き行動に移る。
「でよ、その時、あのエロ長官が――」
デートに相応しくないムードのない話は途中で途切れる。
田中の後ろに回り込んだケッテンクラートが恐ろしく早い手刀を首筋に打ち込んだ。
そしてデーニッツと共に気絶した田中を路地裏へと排除する。
幸いにもアドルフはその一連の流れに気づくことはなかった。
「レーティア!」
「……ゲッベルス」
「アイドルがそんな格好で外を出歩いたら駄目よ」
「……もう私はアイドルなんかじゃない。
祖国を滅ぼしたアイドル総統なんて、ファンに許されるはずがない」
レーティア・アドルフは、湧き上がる罪悪感に胸を締め付けられていた。
祖国と祖国の民を見捨て亡命した。才能に自惚れ国を滅ぼした。
そう。自分は取り返しがつかぬ過ちを犯した大罪人なのだ――。
「何を言ってるのレーティア。貴方
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