第三十二幕:不思議ふしぎの虹
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備に時間が掛かってしまうのだろうけど、時間をかけてくれるという事も嬉しく思う。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「柚樹さん、ごめんなさいっ! 遅くなっちゃって!」
時崎「いや、おっ! 可愛い!」
七夏「あっ、えっと・・・」
しまった! つい、「可愛い」と話してしまった。あまり軽率に可愛いと言うと言葉が軽くなってしまうから、気をつけようと思ってたのに・・・。
時崎「あ、ごめん」
七夏「いえ・・・その・・・ありがとうです」
時崎「あ、ああ」
なんか歯切れが悪くなってしまった。
凪咲「七夏! これ、お買い物のメモ。お願いね!」
七夏「あ、はい☆」
凪咲「柚樹君、七夏の事、よろしくお願いします」
時崎「はい! こちらこそ! 七夏ちゃん!」
七夏「くすっ☆ はい☆」
七夏ちゃんと一緒に駅前まで歩く。以前よりお互いに程よい距離感が分かりあえてきているのか、自然に思える。何か話題を考えなければ・・・という焦りがあった事が懐かしく思える。会話がなくても心地よい。
時崎「凪咲さんのお買い物は先に済ませる?」
七夏「え!? えっと、重たい物がありますので、帰る前がいいかなって」
時崎「重たい物・・・お醤油が3本とか?」
七夏「くすっ☆ お醤油もありますけど、今日はひとつです☆」
時崎「そ。そう」
七夏「懐かしいなぁ♪」
時崎「え!?」
七夏「初めて柚樹さんと一緒にお買い物に出かけた事☆」
七夏ちゃんも「懐かしい」と思ってくれている。ついこの前の事のようにも思えるので、不思議な感覚だ。
時崎「お醤油以外にも沢山あるの?」
七夏「えっと、重たいのは、お醤油と、洗剤、後はシャンプーとリンスです♪」
時崎「なるほど、それ全部任せて!」
七夏「くすっ☆ ありがとです☆」
俺は思った。今の七夏ちゃんの「ありがとう」は、素直に言葉として帰ってきている。でも、「可愛い」と話した時の反応は、あまり良くない。本当に、気を付けなければならないな。
時崎「七夏ちゃんのお買い物は、小説・・・かな?」
七夏「はい☆」
時崎「じゃ、それから見にゆこう!」
七夏「えっと、柚樹さんのお買い物は?」
時崎「電気店。直弥さんからの頼まれ事だけど、その前に俺も本屋さんで面白そうな本がないか探してみるよ」
七夏「はい☆」
駅前の商店街まで来ると、以前よりも人が多い気がした。
七夏「今日は人が多いです☆」
時崎「そうだね。何かあるのかな?」
七夏「えっと、明日は花火大会がありますけど、今日は何かあるのかな? あ、ごめんなさい」
時崎「え!?」
七夏「私、柚樹さんに訊かれてました☆」
時崎「いや、こっちこそ」
商店街を見回すと、明日の準備で屋台が並び始めていた。幼い頃、この準備
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